債券下落、米債安や株高受けて長期金利は一時0.9%-G20を見極め

債券相場は下落。韓国での20カ 国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の行方を見極めたい雰囲 気が強まる中、前日の米国市場で債券安、株高となった地合いを引き 継いで売りが優勢だった。半面、現物市場では投資家の買いで超長期 債は堅調となった。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは、 債券相場について、前日の海外市場での米金利上昇を受けて利益確定 も含めた売りが優勢となっていたと説明した。

東京先物市場で中心限月12月物は4日続落。前日比9銭安の143 円51銭で始まり、直後に売りが優勢となると午前9時20分過ぎに23 銭安の143円37銭まで下落した。その後は143円40銭台を中心に推 移して、結局は14銭安の143円46銭で引けた。

21日の米国債相場は下落。米10年債利回りは7ベーシスポイン ト(bp)上昇の2.55%程度に上昇した。半面、米株式相場は続伸。ダウ 工業株30種平均は38.60ドル上昇の11146.57ドルとなった。この日 の日経平均株価は反発し、前日比50円23銭高の9426円71銭で終え た。

新発10年債利回りは0.89%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の311回債利回 りは、前日比0.5bp高い0.89%で始まった後、徐々に水準を切り上げ、

1.5bp高い0.90%まで上昇した。しかし、そこでは買いが入り、いっ たんは横ばいの0.885%まで戻した。午後1時40分過ぎからは0.5bp 高い0.89%で推移している。

長期金利は前日に続いて節目とされる0.9%を一時付けたが、そ の後は0.8%台後半で推移した。日興コーディアル証券の野村真司チ ーフ債券ストラテジストは、新発5年債利回りの0.3%、新発10年債 利回り0.9%、新発20年債利回り1.8%といった水準に接近すれば、 「押し目買いを喚起する公算は大きく、下値も限定的」とみていた。

新発5年債利回りは約1カ月ぶり高水準となる0.29%を付けた が、その後は0.285%で推移している。

一方、超長期債は堅調。新発30年物の33回債利回りは1.5bp低 い1.945%に低下している。大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債 券運用第2グループリーダーは、「朝方は銀行勢から超長期債に売りも 出た。しかしその後は、年金基金などが債券先物を売って、割安感の ある超長期債を買ったため、先物が軟調となった半面、超長期債はし っかり」だと説明した。

G20見極め

市場では22、23日に韓国で開催のG20の行方を見極める雰囲気 が強まった。為替動向が債券市場で材料となる局面が増えており、議 論の行方が注目されている。韓国政府当局者1人が明らかにしたとこ ろによると、同国は世界経済の不均衡是正で、G20が為替レートだけ に照準を合わせるのではなく、経常収支の問題に取り組むことを提案 した。

シティグループ証券の清水麻希シニアJGBストラテジストは、 G20会議について、「米国にとっては、中国だけが通貨の調整が必要 であり、他通貨に対しては強い圧力をかける次元ではないとの姿勢。 現実的には、何も伴わずに終わる可能性がある。ドル安基調は続くと みており、円債市場に大きな影響はない」とみている。

一方で、日興コーディアル証券の野村真司チーフ債券ストラテジ ストは、為替政策に関して、先進国と新興国との協調は困難という市 場の予想を覆すことができて、仮に協調の兆しが見えれば、円債相場 を下支えしている円先高観の後退につながると説明した。

今週の外為市場では、ドル・円相場が一時1ドル=80円台と1995 年4月以来、約15年半ぶりのドル安・円高水準を更新した。

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