NY連銀「内在する矛盾」に直面、住宅ローン担保証券買い戻し要求で

金融危機下で投じた公的資金の回 収を目指す米ニューヨーク連銀の取り組みは、金融システムの安定確 保という使命に矛盾する恐れがある。

NY連銀は2008年にベア-・スターンズやアメリカン・インタ ーナショナル・グループ(AIG)の救済に伴い住宅ローン担保証券 (MBS)を取得したが、事情に詳しい複数の関係者が今週明らかに したところでは、パシフィック・インベストメント・マネジメント (PIMCO)などの投資家グループとともに、470億ドル(約3兆 8100億円)相当の証券化商品に組成された住宅ローン債権で焦げ付 いている一部を買い戻すようバンク・オブ・アメリカ(BOA)に対 し要求している。

BOAが不良債権の買い戻しを迫られるとの懸念から同行株は過 去2日間で5%近い下落を演じ、時価総額は59億2000万ドル吹き 飛んだ。株価急落は大恐慌後で最悪の危機に見舞われた銀行システム を強化するというFRBの目標とは逆行する動きだ。

アトランタ連銀の元調査局長で、現在はカンバーランド・アドバ イザーズの主任金融エコノミストを務めるロバート・アイゼンバイス 氏は「これには矛盾が内在する」と述べ、「これは本来ベアー・スタ ーンズのものであったはずの損失をFRB経由でMBSのオリジネー ターに移転しようというものだ。これは奇妙な鎖だ。どう成し遂げて いくのか分からない」と語った。

NY連銀を含む投資家グループは、BOA傘下のカントリーワイ ド・ファイナンシャル部門が組成したMBSの受託銀行であるバン ク・オブ・ニューヨーク・メロンとBOAに書簡を送付し、カントリ ーワイドが適切な債権回収を怠ったと主張した。同グループの弁護士 が今週、発表資料で明らかにしたものだが、具体的なMBS保有者名 は開示していない。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE