日本株は小幅続落、円高警戒強さ露呈-輸出軟調、金融売り

東京株式相場は小幅続落。為替の 円高進行に対する警戒感の強さが露呈し、東証1部売買代金上位ではキ ヤノンや日産自動車、信越化学工業など輸出関連株が安い。また、追加 規制に対する不透明感などで銀行株も軟調、リニア新幹線に絡む財務不 安や増資への警戒でJR東海が急落し、陸運株が業種別下落率1位。

半面、きのうの国際商品市況の上昇が追い風となり、非鉄金属や鉱 業などの資源関連株の一角は終日堅調。世界的な過剰流動性への期待感 から下値を売り込む動きも乏しく、株価指数の下げ幅も限られた。

日経平均株価の終値は前日比5円12銭(0.1%)安の9376円48銭、 TOPIXは3.29ポイント(0.4%)安の820.40。

ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジストは、自 動車の政策効果が切れて、「10-12月の生産は先進国で日本だけが突 出して悪くなる可能性がある。円高懸念の強さを確認したことで、内需 も含めた日本株全体を売る動きがある」と見ていた。

前日の海外時間で円が対ドルで15年半ぶりの高値となったことを 受け、為替動向にらみの展開となった。午前半ばには、ガイトナー米財 務長官がドルは円やユーロに対しこれ以上安くなる必要はないとの見方 を示した、と米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が報道。 円高修正が進み日経平均は100円近く上昇したが、同長官の発言効果は 為替、株式両市場で長続きせず、円高懸念は払しょくし切れなかった。

20日発表の地区連銀経済報告(ベージュブック)では、米国の景 気は9月から10月初めにかけて加速の兆候はほとんど見られなかった ことが示され、金融緩和期待からドルは売られやすい環境だった。戦後 最高値である「79円台をとりにいくのではないかとの警戒感が強い」 と、丸三証券の牛尾貴投資情報部長は危ぐする。

銀行弱さ顕著

内外需とも買い手控えムードが強い中、特に下落が目立ったのは 20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議をあすに控えた銀 行株。TOPIX下落寄与度首位、下落率でも5位だった。指数を構成 する83銘柄のうち60銘柄が安く、東京都民銀行や千葉興業銀行、北日 本銀行、七十七銀行など地方銀行株は52週安値を相次ぎ更新した。

みずほ信託銀行の荻原健チーフストラテジストは「資本規制による 最終決定が見えない限り、追加資本調達による希薄化懸念は出てくる」 という。大手銀行の規制が強化されれば、直接規制と関係のない地方銀 行も自らの健全性を示すために増資に動く可能性があるとされたほか、 株式保ち合い解消による需給悪化も懸念された。

クレディ・スイス証券では20日付リポートで、バーゼル銀行監督 委員会が公表したG20に対する金融危機への対応報告書の内容などか ら、システム上重要な金融機関に対する追加規制に関する議論は、少な くとも来年中旬まで長期化する可能性があると指摘。追加規制に関する 不透明感が続く間は、大手銀行の株価の上値が抑えられる可能性がある との見方を示している。

もっとも、株価指数の下げは限定的だった。「円高による業績懸念 で日本株は買いにくいものの、バリュエーションや海外株に対する7- 9月の出遅れなどから、さらにここから売り込むほどの状況でもない」 と、ニッセイアセットの久保氏は言う。

東証1部売買高は概算で17億7758万株、売買代金は同1兆2450 億円。値上がり銘柄数は444、値下がり1077。

JR東海が大幅安、住友大阪は急伸

個別の材料銘柄では、国土交通省の審議委員会でリニア中央新幹線 のルート選定が事実上決着した、と21日の日本経済新聞朝刊など各紙 で報じられ、5兆円を超す費用負担などが警戒されたJR東海が急落。 現状の高バリュエーションは正当化し難いとし、三菱UFJモルガン・ スタンレー証券が「アンダーパフォーム」に引き下げたトヨタ紡織、モ ルガン・スタンレーMUFG証券が格下げしたみずほ証券、野村証券が 業績予想を引き下げたアマダもそろって下げた。

半面、米投資顧問が過去2カ月あまり、株式を市場で買い増してい たことが21日に分かった住友大阪セメントが急伸。4-9月の連結営 業利益が従来予想を39%上回ったもようのマクニカ、4-9月の連結 営業利益が計画を20%上回ったもようの関東自動車工業もそれぞれ大 きく上げた。

新興市場も下落。ジャスダック指数の終値は前日比0.5%安の

46.72と3日続落し、東証マザーズ指数は0.1%安の345.01と続落。個 別の材料銘柄では、東京地裁に破産手続き開始を申し立て、開始決定が されたと発表したTCBホールディングスが値幅制限いっぱいのストッ プ安。同社株に投資していたフルスピードも急落した。半面、11年3 月期の単独営業利益予想を増額したスカイマークはストップ高。

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