超党派議連:尖閣で国会決議提言へ-民主・原口氏らインタビュー

民主、自民、みんな、国民新の4 党と無所属の超党派による有志議員で作る議員連盟が、海上保安庁の 巡視船と中国漁船の衝突事件を受けて、国会決議の採択を柱とする提 言を今月中にもまとめ、今国会中の決議実現に向けて各党内で働き掛 ける。決議は尖閣諸島が日本の主権下にあることを明確にするのが目 的。議連共同代表で民主党の原口一博前総務相が19日、ブルームバー グ・ニュースのインタビューで明らかにした。

「国家主権と国益を守るために行動する議員連盟」は、1日に発 足し、原口氏と自民党の岩屋毅「シャドウ・キャビネット」防衛相が 共同代表に就任した。原口氏によると、当初は33人だったメンバーは 19日時点で50人を超えているという。

原口氏は国会決議について「今月下旬に議連の提言書を出して、 各党に提案をして、決議まで持っていけたらと考えている。できるだ け早い時期に国会としての明確な意思を出すべきだと思っている」と 今国会での採択を求めていく方針を示した。提言書には、国境に近い 島しょ部の自治体への振興策などを推進するための「国境島しょ法」 の制定も盛り込みたい考えだ。今国会の会期は12月3日まで。

また、自民党の岩屋氏は19日、原口氏とは別に行ったインタビュ ーで、提言書について「こういう問題に関して、あまりその国論が分 裂するようなことではよろしくない。いい意味で各党の歩調がそろっ ていくような役割を果たすことができればいい」と語った。

明治学院大の川上和久教授は、世論の高まりを受けて菅直人内閣 が取り組むべき課題として「日米同盟強化と、海保の警備を強化する 予算など、海上防衛を重視した対策をやらないとたたかれる。これは どうしても取り組まなくてはいけない」と指摘している。

デモ

川上氏は漁船衝突事件について「必ずしも尖閣諸島が日本の固有 の領土だと意識していなかった日本の国民までも、中国の強硬姿勢に 反発するようになった。中国への警戒感、ある種のナショナリズムが 起きてくる契機を中国側の強硬姿勢がつくった」とも分析する。

今回の事件を契機に、中国各地では反日デモが発生したが、日本 でも16日、約3000人の市民が東京の中国大使館周辺などで抗議活動 を行った。

都内の会計事務所社員、村上広さん(31)は「中国の侵略には市 民が立ち上がらなければならない。尖閣問題はあまり知らなかったが、 今回のことで、黙っていては中国の思うようにされてしまうと思った」 とデモに参加した動機を語った。中国については「悪いイメージは持 っていなかった。日本の文明も中国から来たものが多い。これまで問 題があっても悪いイメージはなかったが、これは問題だと思う」と訴 えた。

ナショナリズム

原口氏は「中国との間の積み上げたルールを、偏狭なナショナリ ズムに陥ることなく再確認したい」と議連の目的は反中ではないこと を強調。議連の目指す国会決議の内容についても「特定の国を非難し たり、何かを荒立てるものであってはならないと思っている。自らの 国を愛する愛国心はとても大事だが、それは誰かを責めたりする事で はない」と中国への露骨な批判は避けるべきだとの認識を示した。

岩屋氏は今回の事件が日本人のナショナリズムを高めたかどうか については「ナショナリズムをどう解釈するかということによるが、 領土に対する関心はいやが上にも高まったと思う。しかし、日本国民 は賢明だから、すぐさま中国を敵対視すべきだという考えには至らな いと思う」と分析している。

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