ドルは80円台に下落、米緩和観測で-米財務長官発言後の買い続かず

東京外国為替市場では、ドルが 午後の取引で、主要16通貨に対して上昇幅を縮小する展開となり、対 円では再び1ドル=80円台に落ち込む場面も見られた。一段のドル安 をけん制するガイトナー米財務長官の発言を受けて午前はドル買いが進 んだものの、米国の追加金融緩和観測が根強く、上値は限定された。

みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、週末の20カ国・ 地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を前にしたタイミングで、ガ イトナー長官の発言が「口先協調介入」として受け止められた可能性が あると指摘。ただ、米追加緩和観測を背景としたドル安基調は変わらな いとしたうえで、11月の連邦公開市場委員会(FOMC)前後までは、 「ドルは売られやすい」とみている。

午前の取引では、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ) によるガイトナー財務長官のインタビュー内容が伝わると、ドル・円相 場は81円83銭まで急速にドルが上昇。午後にかけては、じりじりと 上昇幅を縮小する展開となり、一時は80円92銭まで押し戻された。

ユーロ・ドル相場は午前の取引で一時1ユーロ=1.3872ドルと、 前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた1.3964ドルからドル高が進 行。午後の取引終盤には1.39ドル台後半までドルが水準を切り下げて いる。

WSJによると、ガイトナー長官は同紙とのインタビューで、世界 の主要通貨は整合が取れていると述べ、ドルが円やユーロに対してこれ 以上下げる必要はないとの見方を示した。また、週末のG20では、米 国が繁栄のため通貨を切り下げる意図はないと説明する見通しという。

野田佳彦財務相は21日午前の参院財政金融委員会で、円高への対 応について、為替の過度な変動は経済や金融の安定化に悪影響だと指摘 した上で、必要なら介入を含めて断固たる措置を取ると述べた。為替相 場の水準についてはコメントを控えた。公明党の荒木清寛氏への答弁。

米追加緩和策を警戒

11月2、3日の米FOMCを控えて、市場では連邦準備制度理事 会(FRB)が景気下支えに向けて追加の緩和策に踏み切る可能性があ るとの観測が根強い。

FRBが20日に発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で は、米国の景気は9月から10月初めにかけて総じて「緩やかなペース」 で拡大し、加速の兆候はほとんど見られなかったことが示された。

東海東京証券金融市場部トレーディンググループマネージャーの二 瓶洋氏は、ベージュブックの内容が米国の追加金融緩和の支援材料と見 なされたとしたうえで、FRBによるアグレッシブな国債買い取りの話 もあると指摘。「結果的に米国の金利低下をもたらしドル売りにつなが るとの連想」が働きやすいとみている。

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