10月21日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル、対ユーロで上昇-G20控え逃避需要

ニューヨーク外国為替市場では、ドルがユーロに対して上昇。株 価が上げを縮めたことで、韓国での主要20カ国・地域(G20)財 務相・中央銀行総裁会議を前に逃避通貨としてのドルの需要が高まっ た。

韓国の慶州で開催されるG20財務相・中銀総裁会議は、各国が 通貨の「切り下げ競争」を控えると表明する見通しだ。当局者の1人 が匿名を条件に草案を明らかにした。

ウェルズ・ファーゴの通貨戦略責任者、ニック・ベネンブローク 氏(ニューヨーク在勤)は「G20を控え、市場参加者がリスクを取 ろうとはせず、多少慎重になっていることの表れだ」と分析。「ユー ロの下げは、株式相場の動きにある程度沿っているといえる。株式相 場は、非常に力強く始まったが、軟調な展開に転じている」と語った。

ニューヨーク時間午後4時4分現在、ユーロは対ドルで前日比

0.3%安の1ユーロ=1.3922ドル(前日1.3964ドル)。一時は

0.6%高になる場面もあった。対円では1ユーロ=113円24銭 (前日113円23銭)。ドルは対円で0.3%上げて1ドル=81円 33銭(前日81円09銭)。

当局者によれば、各国はG20財務相・中央銀行総裁会議の声明 で「相場が市場で決定され、為替レートの過度の変動や無秩序な動き の悪影響を最小限にする為替システム」を求めると表明する。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、ガイトナー 米財務長官が世界の主要通貨は整合が取れていると述べたと報じた。 また、G20財務相・中央銀行総裁会議で、米国が繁栄のため通貨を 切り下げる意図はないと同長官が説明するとも伝えた。

ブラジル財務相

ブラジルのマンテガ財務相は記者団に対し、ガイトナー長官と 20日実施した電話会談で、同長官が米国はドル下落を容認しないと 表明したと語った。マンテガ財務相はまた、G20財務相・中央銀行 総裁会議で、ドル下落を防ぐ手段を模索することでガイトナー長官と 合意した。

ブラジル・レアルは1.1%安の1ドル=1.6952レアル。ブラ ジル政府が外国人投資家の先物取引に対する規制措置を導入したこと に反応した。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシニア為替ストラテジスト、 ウィン・シン氏は顧客向けリポートで、「当社はブラジルにおけるイ ベントリスクの高まりを警告してきた。政策当局が抜け穴をふさぐ措 置に動いたことで、このイベントリスクが形になりつつあるようだ」 と指摘した。

ドル指数

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は0.4%高の77.439。一時は0.4%安を付ける場面もあ った。

ドル指数は先月の連邦公開市場委員会(FOMC)声明が発表さ れた9月21日以降、3.7%下落している。FOMCは声明で、「必 要に応じて緩和措置を追加する用意がある」と表明した。次回FO MC会合は11月2-3日に開かれる。

インタラクティブ・ブローカーズ・グループのシニア市場アナリ スト、アンドルー・ウィルキンソン氏は「量的緩和の第2弾の重要な 目的は、景気を改善させることだ」と指摘。「それは株価には反映さ れつつあるが、ドルには反映されていない。今後どこかの時点でドル は反発するだろう」と述べた。

◎米国株:続伸、企業の好決算や失業保険申請の減少で

米株式相場は続伸。オークションサイトを運営するeベイや外食 産業最大手マクドナルドの業績が予想を上回ったほか、失業保険申請 件数が前週比で減少したことが好感された。不良債権化した住宅ロー ンによる損失が広がるとの懸念を背景に、金融株は売られた。

映画レンタルサービスのネットフリックスは急伸。サービス加入 者の予想引き上げが好感された。バンク・オブ・アメリカ(BOA) は下落。アルミのアルコアや石油のオクシデンタル・ペトロリアムも 安い。ドル上昇を受けた商品安が嫌気された。

S&P500種株価指数は前日比0.2%高の1180.26。一時は

0.6%安まで売り込まれる場面もあった。ダウ工業株30種平均は

38.60ドル(0.4%)上昇の11146.57ドル。

米資産運用会社コモンファンドで運用に携わる、マイケル・スト ラウス氏は、「圧倒的な数の企業が予想を上回る利益を出している。 企業支出が上向いており、中には雇用を伴う投資もあるだろう。株式 にとっては良好な環境だ」と述べた。

企業業績

ブルームバーグがまとめたデータによると、S&P500種銘柄 で10 月7日以降に四半期決算を発表した企業のうち、1株当たり 利益がアナリスト予想を上回ったのは85%以上だった。純利益は 47%増、売上高は7.5%拡大した。

米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表した9月の米景気 先行指標総合指数(LEI)は3カ月連続のプラスとなった。米株式 は同指数発表後も堅調を維持した。

また、米労働省が発表した15日に終了した1週間での新規失業 保険申請件数(季節調整済み)は前週から2万3000件減少して45 万2000件。失業保険の継続受給者も減少したが、延長給付者は増 加した。

グレンミードの投資戦略ディレクター、ジェーソン・プライド氏 は「最新の経済統計からは、労働市場が正しい方向には向かっている が緩やかなペースでしか回復していないことが示されている」と指摘 した。

eベイ

eベイは6%高。同社の売上高と利益の見通しが予想を上回った ほか、同社が事業再建策の一環として、手数料の引き下げや利用方法 の改善を図ったのが好感された。

マクドナルドは1.3%高。同社の7-9月(第3四半期)決算 は10%増益だった。新メニューで客足が伸びた。1株当たり純利益 は1.29ドルと、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均の

1.25 ドルを上回った。

ネットフリックスは13%の急伸。同社の10-12月(第4四半 期)利益予想は1株当たり最大74セント。アナリスト予想平均の 70セントを上回った。同社の年末時点での加入者見通しは最大で 1970万人と、従来予想の1850万人を上回った。

アルコアは1.3%安、オクシデンタルは2.7%値下がりした。

◎米国債:下落、低利回り嫌気し売り-FOMC政策待ち

米国債相場は下落。30年債利回りは4日ぶりに上昇した。米連 邦準備制度理事会(FRB)による景気浮揚に向けた国債購入実施の 是非、購入する場合の規模についての観測が強まるなか、利回りが低 いことを理由に米国債を避ける動きが広がった。

30年債利回りは1週間ぶりの低水準に並ぶ場面もあった。FR Bの政策当局者2人が前日、新たな国債購入は必要ないとの認識を示 したことから、インフレ懸念が後退した。米セントルイス連銀のブラ ード総裁は、11月に1000億ドル(約8兆1300億円)規模の国債 を購入し、その次の会合以降も追加購入を検討する計画を提案した。

ルーソルド・コア・インベストメント・ファンドの運用担当者、 スティーブ・ルーソルド氏はブルームバーグテレビジョンとのインタ ビューで「米国債に関しては、恐らく期間が短めのものを除いて、あ えて手は出さないだろう」と指摘。「利回りがあまりにも低いため、 期間が非常に短い国債以外に資金を投じることは意味をなさない」と 述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時58分現在、30年債利回りは前日比7ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.96%。一時は2日連続で

3.87%まで下げ、14日以来の低水準を付ける場面もあった。今年 の最高水準は4月に付けた4.86%。同年債(表面利率3.875%、 2040年8月償還)価格は1 1/4下げて98 1/2。

10年債利回りは7bp上昇の2.55%。今年の最高水準は4月 に付けた4.01%。

S&P500種株価指数は一時1%上昇した後、0.2%高で終了 した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 米国債の今月のリターンは0.2%。S&P500種の同期間の上昇率 は3.4%。

ブラード総裁は、物価・経済状況次第で連邦公開市場委員会(F OMC)会合ごとに追加緩和実施について決定することを呼び掛けた。

総裁は「量的緩和を決定するなら、採用するのに良い計画がある」 と発言。FOMCの「会合間に1000億ドルを購入するというもの だ」と語った。その上で「委員会は次回会合に向けて、購入継続の意 向がどの程度なのかあらかじめ先行きを示すこともできる」と話した。

規模見通し

国債購入プログラムの規模については、さまざまな見通しが示さ れている。シティグループが顧客を対象にまとめた前日公表の調査に よると、購入額の予想平均は約5600億ドル。米パシフィック・イ ンベストメント・マネジメント(PIMCO)で世界最大の債券ファ ンドを運用するビル・グロース氏は8日、ブルームバーグテレビジョ ンとのインタビューで、FRBは1カ月当たり約1000億ドルの国 債を購入し、購入規模は1年間で合計1兆2000億ドルとなる可能 性があると話した。

プライマリーディーラーの一角であるジェフリーズのチーフ金融 エコノミスト、ウォード・マッカーシー氏(ニューヨーク在勤)は 「ブラード総裁の発言により、量的緩和への期待がやや弱まった。そ れが引き続き国債市場の重しになっている」と指摘した。

米リッチモンド連銀のラッカー総裁は前日、新たな資産購入は正 当化しづらいだろうとの見解を示した。また、米フィラデルフィア連 銀のプロッサー総裁は、「わたしは一部の同僚ほどデフレリスクを懸 念していない」と述べた。

「非常に混乱」

トラディショナル・アシール・セキュリティーズのブローカー、 ポール・ホルマン氏(ニューヨーク在勤)は「市場は量的緩和に関し て引き続き非常に混乱している。明確なイメージがない」と指摘。 「予測がつかないなか、市場は国債でこれ以上のリスク取ることにや や慎重になっている」と述べた。

◎NY金:反落、ドル回復観測で代替資産売り-終値1325.60ドル

ニューヨーク金先物相場は反落。ドル相場が回復するとの観測を 受け、代替投資資産としての魅力が弱まった。

ドルは主要6通貨のバスケットに対して一時0.6%上昇。9月 1日以降、6.5%下げていた。金は年初から前日までに23%上昇、 14日にはオンス当たり1388.10ドルと最高値を更新した。

リンド・ウォルドック(シカゴ)の市場担当シニアストラテジス ト、アダム・クロフェンシュタイン氏は「金属は売りを浴びている」 と指摘。「下落の程度はドルの上昇幅とは一致しないが、金市場は調 整の口実を求めていた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は前日比18.60ドル(1.4%)安の1オンス=

1325.60ドルで終えた。一時は0.4%上昇する場面もあった。

◎NY原油:下落、中国の需要伸び悩みを懸念-ドル反発も材料

ニューヨーク原油先物相場は大幅下落。世界最大のエネルギー消 費国、中国での製油量が1年半年ぶりの低い伸びにとどまったことが 嫌気された。中国政府が景気過熱の抑制措置を取っていることが背景 にある。また外国為替市場でドルが対ユーロで持ち直したことも、原 油の売り材料と見なされた。

9月の中国製油量が日量約850万バレルとの調査結果を受け、 原油価格は一時、3%安まで売り込まれた。製油量は前年同月に比べ て6.6%の伸び、2009年3月以降で最低の増加率となった。

コンサルティング会社、プレステージ・エコノミクス(テキサス 州オースティン)のジェイソン・シェンカー社長は、「中国の製油デ ータは新興市場国の需要に対する不安を浮かび上がらせた」と指摘。 「きょうの下げにはドル上昇も一役買った」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比1.98ドル(2.40%)安の1バレル=80.56ドルで終了。過 去1年間では1%の値下がり。

◎欧州株:上昇、半年ぶり高値-ノキアやフィアット決算予想上回る

欧州株式相場は上昇。ストックス欧州600指数は終値ベースで 半年ぶり高値となった。フィンランドのノキアやイタリアのフィアッ トなどの決算がアナリスト予想を上回ったことが好感された。

世界最大の携帯電話メーカー、ノキアは1月以降で最大の上げ。 同社は業界全体の見通しも引き上げた。フランスの食品大手ダノンも 高い。同社の7-9月(第3四半期)の売上高は15%増加した。フ ィアットは2010年の見通しを上方修正したことも材料となり、買 い進まれた。

一方、スイスの銀行クレディ・スイス・グループは下落。第3四 半期の純利益およびトレーディング収入が、アナリスト予想を下回っ たことが嫌気された。

ストックス欧州600指数は前日比0.6%高の267.62で終了 した。これは4月26日以来の高値。

ロイヤル・ロンドン・アセット・マネジメントで約11億ドル相 当の資産運用に携わるアンドレア・ウィリアムズ氏は、「全般的に、 決算の数字は上向きのサプライズであり、市場では好意的に受け止め られている」と指摘した。

ノキアは6.3%高の8.21ユーロ。ダノンは4.8%上昇の

45.46ユーロ。フィアットは4.4%上げて12.24ユーロ。

クレディ・スイスは4.5%下げて41.41スイス・フラン。

◎欧州債:ギリシャなど周縁国債が下落-スペイン入札が低調で

欧州債市場ではギリシャやアイルランドなどユーロ圏周縁国の国 債が下落。スペイン国債の入札が不調に終わったため、売りが膨らん だ。

ロンドン時間午後4時45分現在、ギリシャ10年債の独10年 債への上乗せ利回りは6.79ポイントと、前日から18ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)拡大した。アイルランド国債の上 乗せ利回りは21bp拡大の6.64ポイント、ポルトガルは16bp 拡大の5.94ポイント。ドイツ2年債利回りは6カ月ぶりに1%を 上回った。

周縁国国債は今年、独国債よりも下落している。スペインやギリ シャなどが金融危機の際に財政赤字を膨らませたため、資金調達に苦 戦するとの懸念が背景にある。スペイン財務省はこの日、2025-32 年償還債を38億5000万ユーロ発行した。これは最大目標を下回 る規模。

ドイツ銀行の債券ストラテジスト、モヒト・クマール氏(ロンド ン在勤)は、「大規模な供給の1日だった」と述べ、スペインの入札 結果については「芳しくないという印象だ」と語った。

◎英国債:2年債利回りが過去最低、英小売売上高の減少や緩和観測

英国債市場では2年債が上昇。利回りは過去最低を付けた。英小 売売上高が予想に反して減少したことや、イングランド銀行(英中央 銀行)が国債購入を再開するとの観測を背景に、安全資産とされる英 国債の需要が支えられた。

30年債も上昇。英政府が前日公表した810億ポンド(約10兆 4000億円)の歳出削減計画で、長期的な経済成長が損なわれるとの 懸念が強まった。オズボーン英財務相は、財政緊縮が内需に打撃とな るならば、イングランド銀行には金融政策を活用する裁量があるとの 見解を示した。英政府統計局(ONS)が21日発表した9月の小売 売上高指数は前月比0.2%低下。ブルームバーグ・ニュースがまと めたエコノミストの予想中央値は0.3%の上昇だった。

BNPパリバのエコノミスト、アラン・クラーク氏(ロンドン在 勤)は、「市場では新たな量的緩和プログラムが実施されるとの見方 が優勢になっている」と指摘。「問題は量的緩和の有無ではなく、そ の時期だ。わたしは景気に対して大多数の意見よりも悲観的だ」と述 べた。

ロンドン時間午後4時42分現在、10年債利回りは前日比4ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.94%。2年債 利回りは2bp低下の0.59%。一時は0.56%と、ブルームバーグ が1992年にデータ集計を開始して以来の最低を付けた。30年債利 回りは4bp低下の4.07%。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae, Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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