アジア開銀:水関連事業に10年で2兆円投融資へ-企業が関心

アジア開発銀行(ADB)は、アジ ア・太平洋地域の水関連事業に、今後10年間で最大250億ドル(約2 兆円)を投融資する方針だ。途上国などで問題となっている飲用や農 業・工業用を含めた水不足を改善するのが狙いで、水に関するさまざま な事業を手掛ける内外の企業の関心も高まっている。

ADB水委員会のアルジュン・タパン委員長(59)は20日、ブル ームバーグ・ニュースとの電話インタビューで、「アジアでは水の供給 や管理が危機的状況にある」と指摘。ADBとして同地域の水問題改善 への貢献に意欲を示し、資金の原資の一部として来年にも「ウォータ ー・ボンド」発行による調達を検討していることを明らかにした。

ADBによれば、同地域では約5億人が安全な飲み水の供給を受け ていないほか、未処理の汚水が河川や湖などに排出されている。また約 8億人が電力不足の環境にあり、貧困層の生活レベルの低下や経済成長 の妨げになっているという。タパン氏は資金使途として途上国政府など による汚水・排水の再利用システムの開発などを挙げた。

ADBでは今年から水関連事業への一定額以上の投融資を一部始 め、4月に大和証券グループが取りまとめ役となり初のウォーター・ボ ンドを発行した。来年以降の起債はこれに続く第2弾となる。内外の水 関連企業は、ADBだけでも今後10年で約2兆円もの資金を投入する アジア・太平洋地域のこのビジネス市場に関心を示している。

15年後には「100兆円市場」

三井物産は8月、シンガポールのメーカーと中国で水処理施設の合 弁会社を設立、三菱商事は5月に英水事業会社から豪州事業を買収する ことで合意した。水のろ過に必要な逆浸透膜の生産で世界第3位の東レ は、世界の水処理施設の運営ビジネスの規模が05年の60兆円から25 年には100兆円に拡大すると予想している。

ADBでは水関連のほか、低公害のエネルギー事業を支援するため クリーンエネルギー債を発行し、来年からの5年間で合計25億ドル(約 2000億円)を調達することも検討している。ADB水委員会のシータパ シー・チャンダー委員長(55)が電話インタビューで明らかにした。

チャンダー氏によると、ADBは13年以降、合計100億ドル(約 8000億円)を同地域のクリーンエネルギー関連事業に投融資する。具体 的には、太陽光・風力発電のほか、地球温暖化ガスの排出抑制につなが る事業などを想定している。

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