米銀、住宅所有者と投資家との2正面で攻防戦-住宅差し押さえ問題で

米銀は粗雑な住宅ローンの貸し出 しのため、国内住宅所有者と住宅ローン債券の投資家の両方と争わな ければならない羽目に陥っている。住宅所有者は銀行による差し押さ えの権利に異議を唱える一方で、投資家は2000億ドル(約16兆円) 近くに及ぶ可能性のある住宅ローン債権の買い戻しを求めている。

連邦監督当局と各州の司法長官は、不適切な差し押さえに重点を 置いているが、それよりも大きな脅威は証券化された質の悪い住宅ロ ーンを買い戻すコストだ。JPモルガン・チェース、バンク・オブ・ アメリカ(BOA)、ウェルズ・ファーゴ、シティグループが買い戻し に向けて積み立てた引当金は100億ドル程度に過ぎない。BOAは今 週に入って、投資家が提出した住宅ローンの買い取り請求の残高は第 3四半期に前年比71%増の129億ドルだったと発表した。

債券ファンド最大手パシフィック・インベストメント・マネジメ ント(PIMCO)などの投資家は、借り手の収入を実際より高くす るなど虚偽の表示を行ったため、売り手は住宅ローンの一部を買い戻 す必要があると主張している。また、全米50州の司法当局が、銀行が 差し押さえに不適切な書類を用いたかどうかについて、捜査に着手し た。どちらの争いも早急に解決される可能性は低い。

インスティチューショナル・リスク・アナリティクスのマネジン グディレクター、クリストファー・ウェーレン氏は電話インタビュー で、「何年も弁護士の仕事が必要な塹壕(ざんごう)戦になるだろう。 銀行は負けるわけにはいかない」と語った。

銀行にとって最大のリスクは、1兆3000億ドルの残高が残る住宅 バブル時に組成された住宅ローン担保債券(MBS)だ。MBSの保 有者には、ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)やフレディマック(連 邦住宅貸付抵当公社)などの米政府支援機関(GSE)や、債券保証 会社、民間投資家などがいる。

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