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日銀:政策金利を0-0.1%に-5兆円の資産買入基金創設

(発表内容を追加し、更新します)

【記者:日高正裕】

10月5日(ブルームバーグ):日本銀行は5日午後、同日開いた金 融政策決定会合で、政策金利を「0-0.1%程度」とすることを全員一 致で決定したと発表した。「物価の安定」が展望できる情勢になるま で実質ゼロ金利政策を継続することも表明した。また、国債、コマー シャルペーパー(CP)、社債、指数連動型上場投資信託(ETF)、 不動産投資信託(J-REIT)など金融資産を買い入れる5兆円規 模の基金を創設することも検討する。

資産買い入れ基金の創設を検討するのに際し、国債を検討対象と することについて須田美矢子審議委員が反対票を投じた。日銀は物価 の安定として「消費者物価指数の前年比で2%以下のプラスの領域に あり、委員の大勢は1%程度を中心と考えている」としている。

日銀は8月30日に臨時の金融政策決定会合を開き金融緩和を行 ったが、米国を中心に海外経済の先行き不透明感が強まっているこ とに加え、円高、株安が進行し、景気・物価の下振れ懸念が高まっ ていることに対応し、1カ月あまりで追加緩和に踏み切った。

日銀は国債、CP、社債、ETF、J-REITなど多様な金融 資産買い入れと新型オペ(固定金利方式の共通担保オペ)を行うため、 臨時措置としてバランスシート上に基金を創設することを検討する。 議長である白川方明総裁が執行部に対し、基金創設について具体的な 検討を行い、あらためて金融政策決定会合に報告するよう指示した。

長期国債と社債は残存1-2年

資産買い入れの対象としては長期国債、国庫短期証券(TB)、 CP、資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)、社債、ETF、J -REITについて検討する。ETF、J-REITは日銀法上の認 可取得を条件とする。基金の規模は、買い入れ資産5兆円程度と新型 オペ30兆円程度を合わせ、35兆円程度とすることを軸に検討する。

買い入れ開始から1年後をめどに長期国債と国庫短期証券は合計

3.5兆円程度、CP、ABCP、社債は合計1兆円程度、総計5兆円 程度となるよう買い入れを進めることを軸に検討する。買い入れる長 期国債と社債は残存期間1-2年程度を対象とする。基金の買い入れ により保有する長期国債は、銀行券発行残高を上限とする「日銀券ル ール」とは異なる扱いとする。

先月29日発表された日銀企業短期経済観測調査(短観)は、大企 業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス8と前回調査から7ポイ ント改善したものの、先行きの見通しはマイナス1と大きく悪化。海 外経済の減速や円高に対する懸念が強まっていることを示した。

遠のくデフレ脱却

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井純チーフ債券ストラ テジストは、円高と海外景気の減速を受けた輸出の鈍化と政策効果の 一巡により、景気が踊り場に入りつつあることが短観で裏付けられた と指摘。野村証券の松沢中チーフストラテジストは「短観は今会合で の追加緩和の可能性を高める内容だった」と指摘する。

8月の鉱工業生産指数は前月比0.3%低下と予想に反して3カ月 連続のマイナス。8月の貿易黒字額は前年比で15カ月ぶりに減少した。 信州大学の真壁昭夫経済学部教授は「輸出の伸び率は鈍化しており、 米国の景気不安や円高の影響が表れている」と指摘する。8月の消費 者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)は前年比1.0%低下。景気 の減速や円高の影響でデフレ脱却が遠のく可能性も出ている。

日銀は今月2回目の決定会合を開く28日に経済・物価情勢の展望 (展望リポート)を公表し、2012年度までの見通しを示す。日銀はこ れまで、コアCPI前年比は「11年度中にはプラスの領域に入る可能 性が展望できる」としていたが、JPモルガン証券の菅野雅明調査部 長は「マイナス予測に下方修正するだろう」と予想している。

先月21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は「必要に応じて 追加緩和を実施する用意がある」と表明。ダドリーニューヨーク連銀 総裁は1日の講演で「雇用とインフレの双方がそう遠くない将来に改 善すると確信を深められる方向で変化しない限り、一段の行動が正当 化される公算が大きい」と述べるなど、11月3日のFOMCで追加緩 和が実施されるとの見方が強いことも日銀の追加緩和を後押しした。

議事要旨は11月2日に公表される。白川方明総裁は午後3時半に 記者会見する。

金融政策決定会合、金融経済月報等の予定は以下の通り。

*T会合開催 総裁会見  金融経済月報  議事要旨10月28日 10月28日 - 11月19日 11月15、16日 11月16日 11月17日 12月27日 12月20、21日 12月21日 12月22日 1月28日 1月24、25日 1月25日 1月26日 2月22日 2月16、17日 2月17日 2月18日 3月18日 3月14、15日 3月15日 3月16日 4月12日 4月6、7日 4月7日 4月8日 5月9日 4月28日 4月28日 - 5月25日 5月19、20日 5月20日 5月23日 6月17日 6月13、14日 6月14日 6月15日 未定 *T

総裁会見は午後3時半。金融経済月報は午後2時、経済・物価情 勢の展望(展望リポート)は10月28日と4月28日、議事要旨は午前 8時50分。

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