NY外為:ドル上昇、米経済指標受け追加緩和観測が後退

ニューヨーク外国為替市場で は、ドルが主要通貨の大半に対して上昇。米経済指標の内容が予 想よりも良かったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)が 金利低下に向け追加緩和を実施するとの観測が後退した。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は5営業日ぶりに上昇した。ドルはユーロに対しもみ 合う展開。シカゴ購買部協会が発表した9月の景気指数は、予想 に反して前月から上昇。先週の新規失業保険申請件数は前週比で 予想以上に減少した。中国は人民元の中心レートを引き上げた。 米下院は29日、対中制裁法案を可決した。

バークレイズ・キャピタルの通貨ストラテジスト、アループ・ チャタジー氏は「概してドルを動かしているのは金利だ。リスク 選好ではない」と指摘。「金融政策をめぐる発言から示唆されるの は、追加緩和は経済指標に左右されるということだ。経済指標の 上振れが続けば、量的緩和への期待は弱まる可能性がある」と述 べた。

ニューヨーク時間午後2時51分現在、ドルはユーロに対し1 ユーロ=1.3636ドルと、前日の1.3627ドルから0.1%安。一 時1.3683ドルと、4月12日以来の安値を付ける場面もあった。

ドルは対円で1ドル=83円39銭と、前日の83円70銭から 下落。一時83円17銭と、9月15日以来のドル安・円高水準と なった。ユーロは円に対し値下がりし、1ユーロ=113円72銭(前 日は114円6銭)。

債券

シカゴ購買部協会が発表した、9月の同地区の製造業景況指 数(季節調整済み)は60.4と、前月の56.7から上昇。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は

55.5 への低下だった。

米労働省が発表した25日に終わった1週間の新規失業保険 申請件数(季節調整済み)は前週から1万6000件減少して45万 3000件。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 の中央値は46万件だった。

米国債相場は下落。経済指標が景気回復の兆候と受け止めら れ、FRBの政策当局が景気支援に向けた国債購入を増やすとの 観測は後退した。BGキャンター・マーケット・データによると、 10年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上昇し、2.53%。

市場の反応

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セ レブリアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「米国債市場はシカゴ購 買部協会指数に注目した」とし、「米国債利回りが短期的に上昇し、 ドルには全般的に非常にプラスとなっている」と指摘した。

米下院本会議は29日、中国に人民元の切り上げを迫る対中制 裁法案を賛成多数で可決した。中国は、同法案が成立しても、米 国の貿易赤字削減には何の効果もなく、成長が阻害される恐れが 出るだけだとの立場をとっている。

先物ブローカー、MFグローバル・ホールディングスのアナ リスト、ジェシカ・ホバーセン氏は「米経済が打撃を受けている のは米政府の責任では決してない。ウォール街のせいでもない。 中国が原因だ」と指摘。「新興国通貨の上昇が抑制されたのはこれ が初めてではない。だが、現在は先進国も関与し始めた。FRB は当局者の発言を通じて間接的にドルの押し下げを図っている」 と述べた。