ロシア:原子炉供給でも世界市場で台頭目指す-中国など新興国に照準

世界有数の原油・ガス輸出国であ るロシアは、原子力の分野でも世界の主導的立場に立つことを目指して いる。国営原子力企業ロスアトムが現在、世界で建設中の原子炉は15 基と、他の国際的な原子炉供給企業を上回る。15基のうち5基はロシ ア国外に建設中で、さらに多く原子炉の供給を計画していると、ブルー ムバーグ・ビジネスウィーク誌10月4日号は報じている。

ロスアトムは26日、中国向けに原子炉2基を供給する計画を発表 した。同国では既に2基を建設している。ロスアトムのセルゲイ・キリ エンコ最高経営責任者(CEO)は「今や中国さえも最優先国ではな い。インドやトルコでも大規模な提携を締結しており、将来的にはベト ナムも視野に入れている」と語る。

先進国で政治的な抵抗により原子力発電所建設プロジェクトが鈍化 するなか、最近では新規の原子炉を発注する国の大半を新興市場の国々 が占めている。ロスアトムは価格についても競争する準備ができてい る。経済協力開発機構(OECD)によると、ロシアで出力1000メガワ ットのプラントを建設する費用は平均29億ドル(約2400億円)。これ は欧米諸国の競合企業の建設費用を20-50%下回る水準だ。

ロシアはチェルノブイリ原子力発電所の事故以降、原子力技術の全 面的な見直しを進めてきた。米シンクタンク、カーネギー国際平和財団 の原子力政策プログラム担当シニアアソシエート、マーク・ヒブズ氏 (ベルリン在勤)は「ロシアが世界各国に供給している原子炉の基本的 な設計は他国のものと同じだ。ロシア国外の専門家たちも安全だと指摘 する」と述べた上で、「一部の原子炉市場では、商業面でも政治面でも 決定権のある人々が依然、若干慎重になっている」との見方を示した。

世界で売上高拡大

キリエンコCEOはロシア原子力庁長官だった2005年以降、世界 で売上高の拡大を推し進めてきた。同庁は08年にロスアトムに改変さ れた。48歳の同CEOはエリツィン元大統領の下で短期間だが首相を 務めた経験もある。キリエンコ氏は、ロスアトムの年間売上高を現在の 170億ドルから向こう20年間で500億ドル以上に増やすことを目指し ている。

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