米地区連銀総裁、一段の金融緩和の必要性で意見対立-発言が示唆

【記者:Scott Lanman、Craig Torres】

9月29日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB) が非伝統的手段による金融緩和の第2弾を実施して、低調な経済成長 の押し上げを図るべきかどうかをめぐって、地区連銀総裁の間で意見 がまったく一致していないことを連銀総裁の相次ぐ発言は示している。

ボストン連銀のローゼングレン総裁は29日、ニューヨークで講演 し、政策当局者には行動する手段があり、もたつく景気回復に対して 「精力的かつ創造的に、さらに思慮深くそして粘り強く」対応すべき だと主張した。その直前には、フィラデルフィア連銀のプロッサー総 裁がニュージャージー州で、FRBは証券購入拡大など、失業率低下 につながらないような措置を講じて自らの信用を危うくしかねないと 警告した。

こうした見解の違いをみると、バーナンキFRB議長は一部のエ コノミスト予想のように11月に米国債購入再開を図ろうとした場合、 複数のFRB当局者の反対を押し切って実施しなければならないもよ うだ。

21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、FRBが責務とす る物価安定と完全雇用を実現する上で必要であれば、追加金融緩和を 実施する用意があると表明した。インフレ率については、FRBが責 務に沿っているとみなす水準を「幾分か下回っている」と指摘した。

ローゼングレン総裁は「完全雇用と適切な水準のインフレ率の実 現に沿った政策を、妥当な期間に実行することに道を開くことが重要 だと、わたしは考えている」と述べた。

一方、プロッサー総裁は「わたしの見解では、米当局による追加 の資産購入で長期債の利回りが10-20ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下したとしても、短期的な雇用見通しに大きな効果を もたらすとは予想し難い」と語った。

議長の発言力強まる可能性も

アトランタ連銀のロックハート総裁とミネアポリス連銀のコチャ ラコタ総裁も同僚と立場が異なる。ロックハート総裁は28日、テネシ ー州で追加金融緩和については心を決めかねていると説明した。コチ ャラコタ総裁はロンドンで、3月までに実施した1兆ドル(約84兆円) 超に上る証券購入と比べ「効果はより落ち着いた」ものになる可能性 を指摘した。

インターナショナル・ストラテジー・アンド・インベストメント・ グループの政策調査担当ディレクター、ロベルト・パーリ氏は、政策 の方向性をめぐる意見の不一致に伴い、バーナンキ議長の発言力が高 まっているとみている。

同氏は「FOMCでは追加措置に明確に反対しているメンバーと、 大規模な資産購入に賛成しているメンバーがいる」とした上で、「こう した状況を受け、バーナンキ議長が決定を下す立場にある」と分析し ている。

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