EU:財政規律違反の制裁強化へ、債務危機悪化の阻止目指す-法案

【記者:James G. Neuger】

9月29日(ブルームバーグ):欧州連合(EU)は、財政規律違反 や競争力の低い経済運営についてユーロ圏諸国に科す制裁を強化する。 域内債務危機の悪化阻止を目指す。

EUの欧州委員会が29日提出した法案によると、ユーロ圏諸国は 財政規律違反の場合、最大で国内総生産(GDP)の0.2%、競争力 が経済の強い国に後れを取った場合は最大で同0.1%の制裁金処分を 受ける。

制裁規定は現在もあるが、制裁が発動されたことはない。既存の 規定を強化した欧州委案は、ギリシャを発端とした今回のような債務 危機の再来阻止を目的とし、放漫財政国に引き締めを求めるドイツの 意向を色濃く反映している。

アイルランドとポルトガルのドイツとの国債スプレッド(利回り 格差)が拡大し新たな危機の芽が膨らむ中で、欧州委は1999年のユー ロ導入以降で「最も包括的な経済統治強化」とするこの案で域内経済 運営システムの欠陥を修復しようとしている。

EUの協定が定める財政赤字の上限はGDP比で3%、債務の上 限は同60%。新規定ではこの上限に達する前から制裁が開始される。 上限に近づいた国は預金を求められ、財政改善へのEUの勧告に従わ ない国の預金は没収される。債務の上限を超えている国は年間で超過 額の20分の1を削減することを求められる。

6つの法案パッケージは加盟各国の政府と欧州議会による承認が 必要。欧州委は2011年半ばまでに施行されることを期待している。そ の場合、12年には最初の制裁が発動される可能性がある。

ただ、フランスなど数カ国は自動的に制裁が発動される欧州委案 に反対していると、EU当局者が28日に述べていた。欧州委案では、 大国により多くの議決権を与えた「特定多数決」によって却下されな い限り、制裁が自動的に発動される。

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