国内市況:株は反発・債券続伸、円は介入以来の高値-短観先行き悪化

東京株式相場は反発。日本銀行の 企業短期経済観測調査(短観)の先行き判断が悪化し、追加金融緩和に よる景気下支えへの期待が広がった。電機など輸出関連株が上昇、国内 外の金融緩和観測や中国の製造業活動改善の影響を受け、鉱業や非鉄金 属、商社など資源関連株は業種別の上昇率上位に並んだ。

日経平均株価の終値は前日比63円62銭(0.7%)高の9559円 38銭、TOPIXは4.32ポイント(0.5%)高の846.97。東証1部 33業種の上昇率上位には石油・石炭製品、鉱業、非鉄金属、卸売、海 運など海外景気や資源高の恩恵を受ける業種が並んだ。

日銀が取引開始前に発表した短観(9月調査)では、大企業・製造 業の業況判断(DI)がプラス8と、6四半期連続で改善。市場予想の プラス7よりもやや良かった。ただ、先行きDIは製造業でマイナス1 と、従来予想のプラス3から悪化。今年度の想定為替レートは1ドル= 89円66銭だった。

きのうの米国市場では、9月の消費者信頼感指数が48.5と前月の

53.2から低下、2月以来の低水準となった。ただ、主要株価3指数は 金融緩和期待からそろって上昇した。英HSBCホールディングスとマ ークイット・エコノミクスがきょう発表した9月のHSBC中国製造業 購買担当者指数(PMI)は52.9に上昇した。

一方、電力株の下げが株価指数の上値を抑えた。数千億円規模の大 型増資を実施する方針を固めた、と共同通信が報じた東京電力が急落。 増資懸念から電気・ガス株は下落銘柄が多数を占め、TOPIXの下落 寄与度1位は東京電力で、3位は関西電力だった。

債券先物、7年3カ月ぶり高値

債券相場は続伸。先物は7年3カ月ぶりの高値を更新した。前日の 米国債相場が上昇した地合いを引き継いだほか、短観で景気の先行き悪 化見通しが示され、追加緩和観測が強まり、買いが優勢だった。

東京先物市場で 中心限月12月物は続伸。前日比19銭高の143 円24銭で始まり、前日記録した直近高値(143円14銭)を上回り、 中心限月ベースで約7年3カ月ぶりの高値圏に達した。午後に円相場が 83円60銭台の円高になると、取引終盤にかけて一段高となり、35銭 高の143円40銭と、2003年6月20日以来の高値で引けた。

28日の米国債相場 は上昇。米5年債入札で、最高落札利回りが 1976年に四半期ベースの同年債入札が始まって以来の最低水準になっ たことが背景。米消費者信頼感指数が低下し、米連邦準備制度理事会 (FRB)が景気支援に向け国債購入を増やすとの観測も強まった。 10年債利回りは6ベーシスポイント(bp)低下の2.47%程度。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の310回債利回 りは、前日比1.5bp低い0.94%で開始後、いったん0.945%を付けた。 その後は徐々に水準を切り下げ、午後3時18分以降は3bp低い

0.92%まで低下し、新発10年債としては8月26日以来の水準まで低 下した。

中期債も堅調。新発5年債利回りは一時1bp低い0.26%に低下し た。超長期債は大幅高。新発20年債利回りは4bp低い1.65%、新発 30年債利回りは4bp低い1.78%まで低下した。

円が介入後の高値更新

東京外国為替市場では円が対ドルで介入後の高値を更新した。政 府・日本銀行による円売り介入への警戒感がくすぶりつつも、米国の追 加金融緩和観測を背景としたドル売り圧力が根強く、円はじりじりと値 を切り上げる展開となった。

ドル・円相場は一時、1ドル=83円50銭までドル売り・円買い が進行。朝方には短観で企業の先行き見通しが悪化したこともあり、 84円台に乗せる場面もあったが、ドルの上値は重く、午後には政府・ 日銀が6年半ぶりに介入した15日以降の円高値を塗り替えた。

市場では、期末の要因も絡んだドル売りや輸出企業の円買いが目立 つとの指摘があった。ユーロ・円相場も朝方に8月2日以来のユーロ 高・円安水準となる1ユーロ=114円19銭を付けたが、午後には113 円49銭まで円が反発した。

アトランタ連銀のロックハート総裁は28日、政策当局者の間で新 たな資産購入を開始すべきかどうかをめぐる議論が今後数週間で激しく なるだろうとの見方を示し、当局者は景気回復支援のために必要に応じ て行動する意思を持っていると言明した。同日の米国市場で、ドルはほ とんどの主要通貨に対して下落。ドル・円も介入があった15日以降で 初めて84円を割り込んだ。

ユーロ・ドル相場も前日の海外市場で一時、4月15日以来となる 1ユーロ=1.3596ドルまでユーロ高・ドル安が進行。きょうの東京市 場では1.35ドル台後半でドルの上値が重い展開が続いた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE