東電:公募増資で最大5550億円調達-原発などに投資

東京電力は29年ぶりに公募増資を実 施する。 調達額は最大5550億円。同社が29日に関東財務局に提出した 有価証券届出書で明らかになった。

有価証券報告書によると、国内外で2億5415万株、そのうち1億 7680万株を国内で発行する。引き受け会社は野村証券、大和証券キャピ タル・マーケッツ、日興コーディアル証券、みずほ証券、三菱UFJモ ルガン・スタンレー証券。

発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない原子力発電所と熱効率 の高い最新鋭の火力発電所への投資に2700億円を充てる。内訳は10年 12月に着工する東通原子力発電所1号機(青森県東通村・出力138万5000 キロワット)に2200億円、川崎火力発電所2号系列の建設に500億円。

残りは米国サウステキサス原発3・4号機増設プロジェクト、豪州 のウィートストーンLNG(液化天然ガス)プロジェクトなど海外事業に 充当する。

東電は13日に発表した中期経営計画で設備投資に2兆5000億円、 海外事業を柱とした成長事業に1兆円を振り向ける方針を示している。

ドイツ証券のアナリスト、直原知弘氏は「電力各社は高い格付けを 有しており、資金調達は問題ない」と述べた。一方、ゴールドマン・サ ックスの酒井田浩之、櫟萌両アナリストは増資発表前に執筆された29 日付リポートで「希薄化懸念で短期的には株価に重しになる」と指摘し た。

東電の29日株価終値は前日比177円(7.8%)安の2105円。一時、 192円(8.4%)安の2090円まで下がり2年ぶりの下落率を記録した。