「生命維持装置」が延命させるアイルランドの銀行-ECB資金依存も

【記者:Dara Doyle and Joe Brennan】

9月29日(ブルームバーグ):アイルランドのレニハン財務相は 2年前、欧州中央銀行(ECB)と政府が提供する生命維持装置を 外すための時間を国内金融機関に与えるため、金融システムに対す る保証を支持するよう議会の説得に動いた。

しかし、アイルランドの金融機関のECBの資金に対する依存 はむしろ強まっている。すべての預金と大半の銀行証券に対する政 府保証は29日に当初の期限を迎える。債券投資家がアイルランドの 金融機関を敬遠し、アイルランド国債をデフォルト(債務不履行) に対して保証するコストが過去最高水準に上昇する中で、議会は政 府保証の延長の審議を余儀なくされた。

アイルランド銀行の元最高経営責任者(CEO)で、金融危機 に関する著作でも知られるマイク・ゾーデン氏は、アイルランドの 870 億ユーロ(約9兆9000億円)のソブリン債に銀行債務が加わる ことによって、「甚大な影響が出る」と指摘。「財務省や各方面の思 考力をはるかに上回る速さで市場は動いている」と述べ、アイルラ ンドの借り入れコストが急上昇しているのはそのためだと説明した。

アイルランドの金融機関は、政府やECBに代わる資金調達先 を資本市場で見いだすことができず、政府が救済費用に飲み込まれ るのではないかとの投資家の懸念をあおっている。レニハン財務相 も22 日の議会委員会で、銀行と国家財政との関係を認める発言を 行った。

アイルランド国債のドイツ国債に対する上乗せ利回り(スプレ ッ ド)は447ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に上昇し、 政府保証が導入された2008年9月以後の拡大幅は394bpに達した。

アイルランド国債管理庁(NTMA)によれば、政府保証は導 入当初の段階で約4400億ユーロ相当の債務をカバーし、金融機関に 最長5年の債券発行を認める追加保証の対象となる債務は6月末時 点で 1530億ユーロ相当に上る。一方、ECBのウェブサイトによ れば、アイルランドに拠点を置く内外の金融機関のECBからの借 入残高は8月27日時点で951億ユーロと、1カ月前の895億ユーロ から増加している。

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