9月28日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update1)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:円上昇、対ドルで介入以来の高値-米統計受け

ニューヨーク外国為替市場では円がドルに対し上昇。9月15日 に日本当局が円売り介入を実施して以来の高値を付けた。米消費者信 頼感指数が市場予想を下回り、安全資産としての円の需要が高まった。

ドルは対ユーロで5カ月ぶり安値に下落。米消費者信頼感の低下 で、米連邦準備制度が景気浮揚に向け追加の量的緩和を実施するとの 観測が高まった。政府・日銀は15日、円高阻止のため円売り・ドル 買い介入に踏み切った。

UBSの為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏(コネティカ ット在勤)は、「ドル以外の安全通貨である円とスイス・フランがド ルに対して上昇する状況になった」と指摘。「投資家は景気低迷が続 き、どのようなレベルであれ米当局が追加緩和に踏み切る事態に身構 えている」と分析した。

ニューヨーク時間午後4時5分現在、円は前日比0.4%高の1 ドル=83円94銭(前日は84円29銭)。一時83円69銭と、9 月15日以来の高値を付ける場面があった。ユーロは対円で1ユーロ =114円ちょうど(前日は113円41銭)。一時112円67銭を付 けた。

ドルはユーロに対し0.9%下落の1ユーロ=1.3581ドルと、 4月15日以来の安値。前日は1.3455ドルだった。

通貨戦争

日本の財務省は30日に、8月28日から9月28日までに実施 した円売り・ドル買い介入の規模を公表する。

ブラジルのマンテガ財務相は27日、各国が輸出を押し上げるた めに通貨安へと誘導する「通貨戦争」が始まったと述べた。また、 20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)を担当する韓国大 統領委員会のサコン・イル委員長は、G20首脳は11月に韓国で開 催される金融サミットが終了するまでに為替政策をめぐる緊張を和ら げるなんらかの解決策を見いだす可能性があると語った。

同委員長は28日、ソウルで記者団に対し、「政策担当者が通貨 問題について話し合っており、ソウルでのサミットで妥協が見いだせ ると期待している」と語った。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した9月の消費 者信頼感指数は48.5と、前月の53.2から低下。2月以来の最低 に落ち込んだ。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値 は52.1だった。

米経済統計

ウェルズ・ファーゴの通貨戦略責任者、ニック・ベネンブローク 氏(ニューヨーク在勤)は消費者信頼感指数について、「ドルにとっ てはプラスというよりマイナスの材料だ」と指摘。「量的緩和がどの ようなものになるのか市場で議論され、注目を集めており、これから も広く話題の中心となるだろう」と述べた。

同氏は円の対ドル相場について、1ドル=83円50銭-84円 で推移すると予想。「今後起こり得る日銀の措置に対し市場が注目し、 また神経質になっている」ためと説明した。

内閣府の水野和夫大臣官房審議官は28日、ブルームバーグ・ニ ュースのインタビューで、「円高・ドル安が日本の購買力を引き上げ て、生活水準を上げていくような体質に変えていかなければならない」 と主張した。円高が商品・サービスの輸入、資源関連を含め海外の資 産購入やM&A(合併・買収)に有利な条件をもたらすことにも言及 している。

水野氏は、中、短期的には市場介入を通じて日本経済の「火事」 を止める必要があると主張。円高・ドル安傾向については、当面「続 くのだろうと思う」と予想した。

◎米国株:上昇、ウォルグリーンの好業績や金融緩和観測で

米株式相場は上昇。前日の下げをほぼ埋めた。ドラッグストアチ ェーンのウォルグリーンを中心に生活必需品株やヘルスケア関連株が 上昇した。また投資家の間で景気保護策として米金融当局が国債購入 を増やすとの観測が広がった。

ウォルグリーンは11%急伸。業績が予想を上回ったのが好感さ れた。製薬のファイザーやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) がヘルスケア株の上げを主導した。最高裁が製薬会社からの控訴につ いて審問を実施することで合意したのが背景。

製薬会社は、割安な価格で薬品を購入できる連邦政府の制度をめ ぐり、公共医療機関が製薬会社を相手取り訴えを起こすのを差し止め るよう求めている。遺伝子組み換え穀物開発最大手モンサントは下落。 同社のトウモロコシの新種子「スマートスタックス」の業績が予想ほ ど良好ではないとの懸念から売られた。

S&P500種株価指数は前日比0.5%高の1147.70。一時は

0.9%安まで下げた。ダウ工業株30種平均は46.10ドル(0.4%) 上昇の10858.14ドル。

ペン・キャピタル・マネジメントの調査ディレクター、エリッ ク・グリーン氏は「投資家はある程度リスクを取ることに慣れてきて いる」と述べ、「景気が改善しなければ、米連邦準備制度理事会(F RB)が債券購入を通じて景気浮揚を図るとの見方が出てくるだろう。 景気が良くなれば、それは株式にとって明るい材料だ」と続けた。

月間ベースのS&P500種

S&P500種は月間ベースで約9%上昇と、2009年4月以来 で最高のパフォーマンス。9月の成績としては1939年以来の最高 だ。欧州債務危機と米国の失業が世界景気回復の足を引っ張るとの懸 念が緩和されたのが背景だ。

連邦公開市場委員会(FOMC)は21日の会合後に発表した声 明で、必要に応じて一段の緩和策を講じる用意があることを明らかに した。FRBは28日、インフレ連動債(TIPS)5億5000万 ドルを購入した。これは、機関債と政府機関発行の住宅ローン担保証 券の償還資金を期間の長い米国債に再投資するプログラムの一環だ。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した9月の消費 者信頼感指数は48.5と、前月の53.2から低下。ブルームバーグ がまとめたエコノミスト予想の中央値は52.1だった。これを受け て、追加緩和策に対する観測が高まった。

ブロードウィンドが急伸

ウォルグリーンは11%高。同社の第4四半期(6-8月)は、 一部項目を除く1株当たり利益が53セントと、ブルームバーグがま とめたアナリスト予想の44セントを上回った。ウォルグリーンの競 合他社CVSケアマークは2.7%上昇した。

ファイザーは1.5%高、J&Jも0.6%上げた。S&P500種 のヘルスケア関連株51銘柄のうち、5銘柄を除きすべて値上がりし た。

ブロードウィンド・エナジーは27%の急伸。レイモンド・ジェ ームズ・アンド・アソシエーツのアナリスト、パベル・モルカノフ氏 によると、複合電機大手ゼネラル・エレクトリック(GE)が同社を 買収するとの観測が材料だった。

モンサントは8.1%下落。前日から2日間で12%値下がりした。 これは2008年以来で最大の下げだった。

◎米国債:上昇、5年債入札が好調-米消費者信頼感低下

米国債相場は上昇。米財務省が実施した350億ドルの5年債入 札で、最高落札利回りが1976年に四半期ベースの同年債入札が始 まって以来の最低水準になったことが背景。

既発の5年債利回りはほぼ2年ぶりの水準に低下。この日発表さ れた米消費者信頼感指数が低下したことで、米連邦準備制度理事会 (FRB)が景気支援に向け国債購入を増やすとの観測が強まった。 この日の5年債入札で最高落札利回りは1.260%と、ブルームバー グがプライマリーディーラー8社を対象にまとめた入札直前の予想の

1.276%を下回った。

SEIインベストメンツで80億ドル相当の資産運用に携わるシ ョーン・シムコ氏は「FRBの行動や量的緩和の第2弾は織り込まれ ているが、新たな不透明要素がある」と指摘。「市場のボラティリテ ィ(変動率)が高いなか、国債相場は買いが優勢となるだろう」と述 べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時18分現在、既発の5年債利回りは前日比6ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)低下の1.23%。同年債(表面利率

1.25%、2015年8月償還)価格は9/32上げて100 3/32。

同利回りは一時1.22%と、FOMCが政策金利を0-0.25% に引き下げた翌日の2008年12月17日以来の低水準を付けた。2 年債利回りは2bp低下の0.43%。22日には過去最低の0.41% に下げていた。10年債利回りは6bp低下の2.47%。

利回り曲線はフラット化

10年債と2年債の利回り格差は2.04ポイントに縮小し、8月 31日以来の最小となった。米景気回復が失速しつつあるとの懸念を 反映している。

CRTキャピタル・グループの国債ストラテジスト、イアン・リ ンジェン氏は、「期間が長めの国債が示しているのは、FRBが国債 を購入し続けるとの見方に基づいた動きだ」と指摘。FRBは「国債 市場での恒常的な買い手であり続けるほか、このプロセスを通じて金 利を低水準に維持すると見込まれる」と述べた。

この日の5年債入札で、落札全体に占める海外の中央銀行を含む 間接入札の割合は50.1%だった。8月25日の前回入札では

50.8%、過去10回の入札の平均は46%となっている。プライマ リーディーラー以外の直接入札の割合は8.7%と、前回入札と同率 だった。

入札の需要

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.96倍と、過去10回 の入札の平均の2.74倍を上回った。

前日実施された2年債入札(発行額360億ドル)では、最高落 札利回りは過去最低の0.441%、応札倍率は07年8月以来の高水 準となる3.78倍だった。財務省は29日に7年債を290億ドル発 行する。

国債相場は朝方から上昇していた。米民間調査機関のコンファレ ンス・ボードが発表した9月の消費者信頼感指数は48.5と、前月 の53.2から低下。2月以来の最低に落ち込んだ。ブルームバーグ がまとめたエコノミスト予想の中央値は52.1だった。

FOMCは21日の会合後の声明で、「必要に応じて緩和措置を 追加する用意がある」と表明。量的緩和として知られる政策に基づく 国債の買い増しにより、FRBが保有証券を増やすとの観測が強まっ た。

FRBは先週、8月10日の会合で示した金融システムからの資 金流出を回避するため国内証券の保有規模を約2兆ドルに維持すると するスタンスを保つ方針を示した。FRBはこの日5億5000万ド ル相当のインフレ連動債(TIPS)を購入。今回の購入プログラム が始まった8月17日以降の総額は346億1200万ドルとなってい る。

◎NY金:最高値更新、ドル安に反応-終値1308.30ドル

ニューヨーク金先物相場は5営業日続伸し、過去最高値をつけた。 最高値更新はここ2週間で8度目。ドルが主要通貨に対し2月上旬以 来の安値に沈んだため、金の需要が高まった。

一時はオンス当たり1311.80ドルまで上昇し、最高値を記録 した。年初からは19%上げており、年間では10年連続の上昇。少 なくとも1975年以降で最長の上昇基調にある。ドルは主要通貨バ スケットに対し、2月3日以来の低水準に下落した。

リンド・ウォルドックの市場担当シニアストラテジスト、アダ ム・クロプフェンシュタイン氏(シカゴ在勤)は「ドルの下落を受け、 金がこの日の安値圏から戻した」と指摘。「ここからはモメンタム相 場だ。新規買いが入って、高値を更新していくだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は前営業日比9.70ドル(0.7%)高の1オンス=

1308.30ドルで終了した。一時は22.40ドル(1.7%)安と、7 月27日以来の大幅安となる場面もあった。

◎NY原油:下落、ガソリン需要減と在庫積み上がりを警戒

ニューヨーク原油先物相場は下落。週間のガソリン需要が過去6 週間で5週目の減少となり、在庫も6カ月ぶり高水準からさらに積み 上がったとの見方から売りが出た。

マスターカードが発表した24日までの1週間のガソリン需要は

0.2%減少して日量898万バレル。これを受けて原油市場では売り が優勢となった。エネルギー省が29日に発表する週間在庫統計を前 にブルームバーグがまとめたアナリスト14人の予想中央値によると、 先週分のガソリン在庫は35万バレルの増加。

エネルギー顧問会社、オイル・アウトルックス・アンド・オピニ オンズ(ヒューストン)のカール・ラリー社長は、「29日の統計が 注目されており、ガソリン在庫の積み上がりが予想されている」と指 摘。「石油在庫は大量にあり、高値の維持は難しいだろう」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前 日比34セント(0.44%)安の1バレル=76.18ドルで終了した。 マスターカードの需要統計を受け、原油価格は取引終了間際の30分 で61セント下げた。

◎欧州株:下落、アイルランドなどの債務懸念で-ミシュラン安い

欧州株式相場は下落。アイルランドとポルトガルの国債急落でソ ブリン債危機が悪化しつつあるとの懸念が深まったほか、9月の米消 費者信頼感指数が7カ月ぶり低水準に落ち込んだことが背景にある。

フランスのタイヤメーカー、ミシュランは急落。12億ユーロ (約1360億円)の株主割当増資計画を明らかにしたことが売りを 誘った。アイルランド銀行も安い。オランダの塗料メーカー、アクゾ ノーベルは2.2%下げた。配当見通しがアナリスト予想に届かなか ったことが嫌気された。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%安の262.36で終了 した。同指数は月初来では4.4%高となっている。

ストアブランド・アセット・マネジメント(オスロ)のファンド マネジャー、エスペン・ファーネス氏は、「欧州の周縁国に関する懸 念が再び高まった。不安は銀行にも及んでいる」と述べ、「投資家は 通常よりも若干神経質になっている。9月のリターン(投資収益率) がこれまで良かっただけに、なおさらのことだ」と続けた。

28日の西欧市場では、18カ国中12カ国で主要株価指数が低 下した。

ミシュランは10%安と、過去12年で最大の値下がりとなった。 アイルランド銀は7.4%下落。ストックス600欧州指数の銀行銘柄 は1%安と、19産業グループの中で2番目に大きな下げを記録した。

◎欧州債:アイルランド中心に周縁国債下落-銀行救済の可能性警戒

欧州債市場ではアイルランド国債相場が急落するなど、周縁国の 国債相場が下落した。域内の銀行が追加資本を必要とする可能性があ るとの懸念が広がった。

アイルランド2年債利回りブルームバーグがデータ集計を開始し た2003年以来の高水準を付けた。格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)は、アイルランドのアングロ・アイリッシュ 銀行を救済するコストが同社の当初見積もりを超える可能性があると の見方を示した。ポルトガル10年債とドイツ10年債のスプレッド (利回り格差)は過去最大を記録した。

クレディ・アグリコルCIBの金利ストラテジスト、ピーター・ チャットウェル氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、 「アングロ・アイリッシュ銀がいまだにアイルランド国債の重しとな っている。ポルトガルの財政状況はまだ不透明だ」と述べ、「スプレ ッドは拡大するだろう」との見方を示した。

ロンドン時間午後4時37分現在、アイルランド10年債利回り は前日比18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

6.83%。一時は6.95%まで上げ1997年以来の高水準となった。 同国債(表面利率4.5%、2020年4月償還)価格は1.12ポイン ト下げ84.04。アイルランド2年債は2003年以降の最高となる

4.76%まで上昇した。

アイルランド10年債の同年限のドイツ国債に対するプレミアム (上乗せ利回り)は過去最大となる453bpまで拡大した後、448 bp。ポルトガル国債のスプレッドは一時、441bpまで拡大した。

ドイツ国債

この日のドイツ国債相場は上昇。9月の米消費者信頼感指数が7 カ月ぶり低水準に落ち込んだことが、相場への上昇要因となった。独 10年債利回りは前日比2bp低下し2.25%。

◎英国債:10年債上昇、BOEポーゼン氏が資産買い取り再開提言

英国債相場は上昇。イングラド銀行(英中央銀行)の金融政策委 員会(MPC)メンバー、アダム・ポーゼン委員が、資産買い取りプ ログラムを再開するべきだと発言したことが背景にある。

ポーゼン委員は28日にハルで講演し、金融政策は「引き続き積 極的であるべきだ。さらなる議論が必要だが、わたしは追加緩和に取 り掛かるべきだと考える」と語った。欧州中央銀行(ECB)のシュ タルク理事は同日、イスタンブールで記者団に対し、ECBは非伝統 的措置を段階的に解除する過程にあると述べた。

スタンダード・バンクのG10外国為替調査責任者、スティー ブ・バロー氏(ロンドン在勤)は、「ポーゼン委員は米当局と同様の 線での行動を提案しているようだ。低成長は望ましくなく、景気刺激 に向けて量的緩和を再開すべきということだ」と語った。

10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の2.94%と、3週間ぶり低水準となった。2年債利 回りは0.65%と、前日からほぼ変わらず。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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