NY外為:円上昇、対ドルで介入以来の高値-米統計受け

ニューヨーク外国為替市場では 円がドルに対し上昇。9月15日に日本当局が円売り介入を実施して 以来の高値を付けた。米消費者信頼感指数が市場予想を下回り、安全 資産としての円の需要が高まった。

ドルは対ユーロで5カ月ぶり安値に下落。米消費者信頼感の低下 で、米連邦準備制度が景気浮揚に向け追加の量的緩和を実施するとの 観測が高まった。政府・日銀は15日、円高阻止のため円売り・ドル 買い介入に踏み切った。

UBSの為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏(コネティカ ット在勤)は、「ドル以外の安全通貨である円とスイス・フランがド ルに対して上昇する状況になった」と指摘。「投資家は景気低迷が続 き、どのようなレベルであれ米当局が追加緩和に踏み切る事態に身構 えている」と分析した。

ニューヨーク時間午後4時5分現在、円は前日比0.4%高の1ド ル=83円94銭(前日は84円29銭)。一時83円69銭と、9月 15日以来の高値を付ける場面があった。ユーロは対円で1ユーロ= 114円ちょうど(前日は113円41銭)。一時112円67銭を付けた。

ドルはユーロに対し0.9%下落の1ユーロ=1.3581ドルと、4 月15日以来の安値。前日は1.3455ドルだった。

通貨戦争

日本の財務省は30日に、8月28日から9月28日までに実施し た円売り・ドル買い介入の規模を公表する。

ブラジルのマンテガ財務相は27日、各国が輸出を押し上げるた めに通貨安へと誘導する「通貨戦争」が始まったと述べた。また、20 カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)を担当する韓国大統領 委員会のサコン・イル委員長は、G20首脳は11月に韓国で開催され る金融サミットが終了するまでに為替政策をめぐる緊張を和らげるな んらかの解決策を見いだす可能性があると語った。

同委員長は28日、ソウルで記者団に対し、「政策担当者が通貨 問題について話し合っており、ソウルでのサミットで妥協が見いだせ ると期待している」と語った。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した9月の消費 者信頼感指数は48.5と、前月の53.2から低下。2月以来の最低に 落ち込んだ。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は

52.1だった。

米経済統計

ウェルズ・ファーゴの通貨戦略責任者、ニック・ベネンブローク 氏(ニューヨーク在勤)は消費者信頼感指数について、「ドルにとっ てはプラスというよりマイナスの材料だ」と指摘。「量的緩和がどの ようなものになるのか市場で議論され、注目を集めており、これから も広く話題の中心となるだろう」と述べた。

同氏は円の対ドル相場について、1ドル=83円50銭-84円で 推移すると予想。「今後起こり得る日銀の措置に対し市場が注目し、 また神経質になっている」ためと説明した。

内閣府の水野和夫大臣官房審議官は28日、ブルームバーグ・ニ ュースのインタビューで、「円高・ドル安が日本の購買力を引き上げ て、生活水準を上げていくような体質に変えていかなければならない」 と主張した。円高が商品・サービスの輸入、資源関連を含め海外の資 産購入やM&A(合併・買収)に有利な条件をもたらすことにも言及 している。

水野氏は、中、短期的には市場介入を通じて日本経済の「火事」 を止める必要があると主張。円高・ドル安傾向については、当面「続 くのだろうと思う」と予想した。