武富士の破たんで「過払い請求」急増も-アコムなど銀行系大手にも余波

武富士が28日、会社更生法を申請 したのを受け、消費者金融業者を傘下に持つメガバンクなどの経営に対 する懸念が浮上してきた。専門家の間では、今回の破たんをきっかけに 利用者が払い過ぎた「過払い金」の返還請求が急増し、関連負担が連結 業績へのマイナスの影響を与えるとの見方も出ている。

大手銀行は2004年ごろ、29.2%(当時の出資法)という融資上限 金利の高さに目を付け傘下に取り込む動きを加速した。現在、三菱UF Jはアコム、三井住友はプロミス、新生銀行は新生フィナンシャル(レ イク)をそれぞれ傘下に持つ。消費者金融を傘下に持たないみずほも過 払いリスクのあるオリコ、クレディセゾンに出資する。

だが、最高裁が2006年1月に利息制限法上限の20%を超え29.2% までのいわゆる「グレーゾーン金利」を無効とし受け取り分を利用者に 返還せよとの判決を出してから風向きが変わった。日本貸金業協会によ ると業界は09年3月までの3年で2兆5000億円を返還。これが各社の 経営を圧迫した。融資上限を設けるなどの規制強化も打撃となった。

シティグループ証券の津田武寛アナリストの試算では、これから発 生する可能性のある過払い金返還費用は業界全体で10兆円にも上ると いう。金融庁によれば、09年3月末の業界全体の貸付残高6兆5865億 円のうち75%を大手6社が占めており、比率から推測すると過去の返還 金の多くが大手の負担となる可能性が高い。

過払い金「全額返還せよ」の声

UBS証券の大槻奈那シニアアナリストは27日付リポートで「武 富士のケースは過去の破たんより規模も潜在的な過払い債権者数も多 い」とし、業界全体が同様の傾向にあれば「その影響は類を見ない規模 になる」と警告した。アコムやプロミスが資産をすべて処分しても返還 が難しい可能性があるとみる専門家もいる。

全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の吉田豊樹事務局次長は 「業者は破たん前に過払い金をすべて返すのが筋。アコム、プロミスは 本体が無理なら当然、道義的に親である銀行が肩代わりすべきだ」と話 す。大槻アナリストは武富士破たんを受け「金融庁などが過払い債権保 護に傾けば、銀行にとってリスクが大きい」としている。

大槻アナリストはまた、過払い金返還による業績悪化で消費者金融 向け融資が、さらに「不良債権化」する可能性も指摘。3月末の三菱U FJはアコムに2199億円、三井住友はプロミスに2706億円を融資して いる。ただ、MFグローバルの山中威人アナリストは武富士破たんによ る利用者の他社への返還請求はあるが影響は限定的とみている。

-- Editors: Kazu Hirano Hidekiyo Sakihama

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