武富士:更生法申請、「過払い金」で負債4300億円-上場廃止へ

消費者金融大手で独立系の武富士は 自主再建を断念し28日午後、東京地裁に会社更生法の適用を申請した。 法的整理に踏み切り利用者から受け取り過ぎた利息である「過払い金」 の返還負担を限定化し、1年内をめどに事業スポンサーを探し経営再建 を目指す。吉田純一取締役(42)が同日付で社長に就任した。

武富士の発表によると、負債総額は4336億800万円。保全管理人 の下で、資産処分などを通じ利用者の過払い金や金融機関の債権に対す る弁済比率などを決めていく。清川昭社長と武井健晃副社長は引責辞任 した。東京証券取引所は28日夕、前日から監理銘柄に指定している武 富士株式を10月29日付で上場廃止にすると発表した。

吉田新社長は28日夜の会見で「債権者や関係各位に多大なご迷惑 をおかけし、心よりお詫びします」と陳謝した。保全管理人の小畑英一 弁護士は、潜在的な債権者は「100万から200万人程度、金額は1兆- 2兆円と想像のつかない規模だ」と指摘した。8月末で3本926億円あ る社債は「すべてデフォルト(債務不履行)」になるとしている。

商工リサーチによると、消費者金融の経営破たん(総資産)として は過去最大。業界規制の強化を背景とした独立系の経営破たんで今後、 大手銀行が支援する形のアコム、プロミス、レイクなどが過払い金負担 にどのように対応していくかが注目(関連記事)される。

過払い金とは20%(利息制限法)-29.2%(出資法上限、6月から 20%)間のグレーゾーンで利用者が支払った返済利息。前期(2010年3 月期)の過払い金費用は1304億円(連結)で連結純利益の28倍に達し た。シティグループ証券の津田武寛アナリストは、潜在的な過払い金返 還費用は1兆円超に上り、事業環境の好転も望みにくかったという。

野村証券の魚本敏宏チーフ・クレジット・ストラテジストは27日 付リポートで武富士債権者への弁済率は1割未満と予想した。一方、大 手3社への返還請求額は「10-12月に急増することも考えられる」と指 摘した。理由として破たん手続きの中で、債権者として武富士に利息返 還請求をする利用者が他社にも請求する可能性を挙げている。

過払い金に加え1人当たりの融資額に上限を設ける規制強化など で経営環境が悪化する中、独立系の武富士は、リーマンショック後の金 融危機の影響などで極度の資金調達難に陥り、保有資産を切り売りしな がら経営再建を目指してきた。貸付金残高は3月末で1年前に比べて

31.6%減の5895億円と急激に縮小していた。

自見庄三郎金融・郵政担当相は28日夜、武富士破たんについて「大 変遺憾」とした上で、「預金や決済機能はなく一般にはシスミックリス クの大きな広がりはない。冷静な対処をお願いしたい」と強調。同社の 利用者には「政府関係機関や民間機関などできめ細かく対処していきた い」と述べた。金融庁内で記者団に語った。

--取材協力:河元伸吾、日向貴彦、山口祐輝 Editors: Kazu Hirano  Hidekiyo Sakihama

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