今日の国内市況:日本株が反落、債券上昇-円は84円台前半でこう着

東京株式相場は反落。根強い欧州 債務問題の行方や企業短期経済観測調査(短観)の内容を見極めたい として買いが手控えられる中、武田薬品工業をはじめ医薬品や情報・ 通信株などの配当権利落ち銘柄が下げた。その他金融や証券など金融 株も安い。

日経平均株価の終値は前日比107円38銭(1.1%)安の9495円 76銭、TOPIXは6.65ポイント(0.8%)安の842.65。日経平均は 心理的な節目の9500円を2営業日ぶりに終値で下回った。東証1部売 買代金は今月9日以来、約3週間ぶりの1兆円割れ。

9月末の決算期末があさってに接近し、決算対策を終えた機関投 資家や証券会社の自己売買部門が動きづらいとあって、全般模様眺め ムードが強かった。買い注文の乏しさを裏付けたのが先物の動き。取 引開始時の日経平均先物12月限の売買は1600枚強にとどまり、きの うの4割減。このため、午後2時すぎに出た大口注文も吸収しきれず、 買い物が少ない中で指数の下げ幅は大きくなった。

買い手控えの一因は、欧州債務問題に対する不透明感だ。米銀M &Tバンクは、スペイン最大の銀行であるサンタンデール銀行の米国 部門であるソブリン・バンクとの合併交渉を放棄した可能性がある、 と米紙ウォールストリート・ジャーナルが報道。きのうの欧州債市場 では、アイルランド10年債の同年限のドイツ国債に対する上乗せ利回 りは過去最大となったほか、ポルトガル国債のスプレッドも拡大した。

27日の米国株市場では、S&P500種の金融株指数が前営業日比

1.2%安と主要10指数で値下がりが最大だった。

海外の流れを受けた東京市場でも、三井住友フィナンシャルグル ープ、野村ホールディングスなど銀行、証券株の一角が安く、午後は その他金融株の下げも拡大。会社更生法の適用を28日に申請する武富 士が、値幅制限いっぱいのストップ安で一部配分。法的整理に伴う金 融市場や消費者金融市場への影響が不透明な点も心理的重しだった。

また、東証1部の業種別下落率上位には医薬品や情報・通信、電 気・ガスなどが入り、終日弱い動きを見せた。東証1部売買高は概算 で13億6764万株、売買代金は同9909億円。値上がり銘柄は504、値 下がりは987。

債券相場は上昇

債券相場は上昇。長期金利は1カ月低水準となる0.955%まで下 げた。日米で追加緩和観測が強まっていることに加え、午後に発表さ れた2年債入札結果が順調だったことから買いが優勢だった。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の310回債利回 りは、前日比2.5ベーシスポイント(bp)低い0.965%で始まった後、 いったんは0.97%を付けた。その後、再び水準を切り下げ、午後2時 過ぎには3.5bp低い0.955%と新発10年債としては8月27日以来、 1カ月ぶり低水準を付けた。その後は0.955-0.96%で推移している。

市場で日銀による早期追加緩和観測が強まっている。白川日銀総 裁は27日、大阪市内で会見し、金融政策運営の基本的なスタンスにつ いて「日銀自身は潤沢な資金供給を行っていく。そして必要と判断さ れる場合には適時適切に対応したい」と述べた。28日付の日経新聞は、 来月4、5日に開く次回会合で追加的な金融緩和策を協議すると報じ た。期間3-6カ月の資金をさらに潤沢に供給することを軸に検討に 入ったとしている。

金融政策変更の影響を受けやすい中期債も上昇した。新発5年債 利回りは2bp低い0.27%、前回入札された2年物の296回債は1bp 低い0.13%に低下した。

月末に向けて、投資家から保有債券の年限を長期化させる買いも 入っており、超長期債は大幅高。新発20年債利回りは一時5bp低い

1.685%、新発30年債利回りは4bp低い1.82%までそれぞれ低下した。

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比22銭高い143円5銭 と中心限月で8月31日以来の143円台を回復して開始した。その後も 143円台での推移が続き、午後に入って買いが膨らむと31銭高の143 円14銭まで上昇し、8月25日に付けた高値に並んだ。結局は22銭高 の143円5銭で引けた。

日銀は29日に企業短期経済観測調査(短観、9月調査)を発表す る。ブルームバーグ調査によると、大企業・製造業の業況判断(DI) はプラス7、大企業・非製造業DIはマイナス2といずれも前回から 改善が続く見通し。しかし、先行きDIは製造業がプラス3、非製造 業がマイナス4への悪化が見込まれている。

財務省がこの日に実施した表面利率(クーポン)0.1%の2年利付 国債(297回債)の入札結果では、最低落札価格が99円92銭、平均 落札価格は99円92銭となった。

最低落札価格は、事前の市場予想の99円91銭5厘を上回った。 小さいほど好調とされるテール(最低と平均落札価格との差)はゼロ となり、前回の1厘から縮小した。また、応札倍率は5.75倍と、2005 年6月以来、約5年ぶりの高水準となった。

日本相互証券によると、この日入札された2年物の297回債利回 りは業者間市場では0.14%で寄り付いた後、0.135%で推移している。

円は84円台前半でこう着

東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=84円台前半での小 動きに終始した。米国の追加金融緩和観測が引き続きドルの重しとな る一方、日本の円売り介入や追加緩和の思惑がドルを下支えした。東 京時間日中のドル・円相場の値動きは84円17銭から84円34銭とわ ずか17銭。

一方、ユーロ・ドル相場は欧州債務懸念からユーロが売られた海 外市場の流れを引き継ぎ、1ユーロ=1.34ドル台前半までユーロ売り が進行。その後1.34ドル台後半まで持ち直す場面も見られたが、ユー ロ買いは続かず、欧州市場に向けては1.3400ドル割れの水準までユー ロが売られる展開となった。

ユーロ・円相場も1ユーロ=113円台前半で一進一退の展開が続 いていたが、欧州市場に向けてはユーロ売りが優勢となり、112円台 後半まで値を切り下げた。

FRBは21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で「追加 金融緩和の用意がある」と表明。これを受け、外国為替市場ではドル 安が進行し、27日には対ユーロで一時、1.3507ドルと4月20日以来 の安値を付ける場面が見られた。

また、政府・日銀による6年半ぶりの介入を受け、一時、86円近 くまで上昇していたドル・円も先週末にかけて84円台前半まで反落。 ただ、9月末が近付き、期末絡みの国内需給動向と当局の介入姿勢に 注目が集まるなか、週明け以降は84円台前半でこう着相場の様相を強 めている。

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