英プルーデンシャルと米AIGのアジア部門、アジア市場で競争開始

英保険会社プルーデンシャルの 最高経営責任者(CEO)のティージャン・ティアム氏は、アジア市 場での事業拡大に向け、米保険会社アメリカン・インターナショナ ル・グループ(AIG)のアジア部門AIAグループの買収を試みた が、成功しなかった。ティアム氏は捲土(けんど)重来を期して、A IAのCEOに就任したかつての上司、マーク・タッカー氏との競争 に勝つ必要がある。

タッカー氏は今週、AIAの新規株式公開(IPO)に向け、投 資家の需要調査を開始した。同社のIPOの規模は約150億ドル (約1兆2600億円)と、香港市場で最大規模となる見通し。このI POを機に、かつて部下と上司の関係にあったティアム、タッカー両 氏による世界で最も急成長するアジアの保険市場をめぐる競争の幕が 開くことになる。

シンガポールのアバディーン・アセット・マネジメントのファン ドマネジャー、クリストファー・ウォン氏は「これは食うか食われる かの闘いだ」と語った。同社はプルーデンシャル株を含む2670億ド ルの資産を運用する。「アジアの消費者が資産運用や家族の安心確保 という点で洗練化しつつあることは、アジアの生命保険会社に直接的 に恩恵をもたらす。成長に向けた新たな戦場となるだろう」と述べた。

プルーデンシャルとAIAはアジアにおける世界的保険会社の最 大手で、アジア大陸全体に支社を持つのは両社だけだ。ティアム氏は アジアで成功すれば、AIA買収の破談で同氏に辞任を迫った投資家 の不満を和らげることができる。タッカー氏は、AIAのIPOで、 米政府による救済を受け昨年に売上高が落ち込んだAIGから独立す ることになる。アナリストは、プルーデンシャルが将来、AIAの買 収対象となる可能性があるとみている。

AIAのIPO

ティアム氏(48)は、タッカー氏(52)の後任としてプルーデン シャルのCEOに就任。タッカー氏は2005年から09年まで同職を 務めていた。アジア部門は同社の売上高の42%を占める。ティアム 氏は今年、ベトナムやインドネシアなどの成長国で、健康保険や資本 回収期間が短い商品の売り上げを増やす計画を明らかにしていた。

タッカー氏は7月、AIGのロバート・ベンモシュCEOにより AIAのCEOに指名された。事情に詳しい関係者2人が22日に明 らかにしたところによると、AIAの来月のIPOは100億-150 億ドル規模が見込まれている。IPOで得た資金は、AIGが米政府 から受けた公的資金の返済に充てる。