ドルが対円で84円台前半、9月末控えて期末需給と介入姿勢見極め

午前の東京外国為替市場ではドル・ 円相場が1ドル=84円台前半で小幅な値動きとなった。米国の追加金 融緩和観測がくすぶるなか、ドルの上値は重いものの、国内企業の中 間期末を控えて日本の当局が円高の進行を阻止するとの思惑もあり、 ドルは積極的に売りにくい状態が続いた。

ドル・円相場の午前の値動きは84円18銭から84円35銭とわず か17銭。ユーロ・円相場も1ユーロ=113円台前半の狭いレンジで推 移した。

みずほコーポレート銀行国際為替部の加藤倫義参事役は「きょう はとても静かだ。輸出企業の担当者にとってみれば現状レベルでヘッ ジ(ドル売り)をしてしまって、9月末に少し円安になってしまうと 困るので手を出しにくい。投機筋も今ドルを売ってしまっても、9月 末に持ち上げられる可能性があるので、今はあくまで当局の出方待ち だ」と語る。

ユーロ・ドル相場は欧州債務懸念からユーロが売られた海外市場 の流れを引き継ぎ、一時、1ユーロ=1.3426ドルまでユーロが下落。 しかし、ユーロ売りもそこまでで、正午にかけては1.34ドル台後半ま で値を戻した。

ドル安地合い

先週は「追加金融緩和の用意がある」と表明した21日の米連邦公 開市場委員会(FOMC)声明を受け、ドル安が進行。ドル売りの受 け皿としてユーロは大幅上昇し、27日には一時、1.3507ドルと4月 20日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。

政府・日銀による6年半ぶりの介入を受け、一時、86円近くまで 上昇していたドル・円も週末にかけて84円台前半までドルが下落。た だ、9月末が近付き、期末絡みの国内需給動向と当局の介入姿勢をに らんで動きづらい状況のなか、その後は同水準でこう着感を強めてい る。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の久保信明バイスプ レジデントは「欧州の金融危機の問題や米国の金融緩和、さらに日本 の金融緩和といろいろ材料はあるが、特に前者2つは綱引きする問題 という感じになっており、一方的に上がってきたユーロも上昇一服と なっているなかで、どのみちドル・円は単体では動けない」と指摘。 「おそらくこの何日間かは月末・期末の需給が動きの中心になる」と みている。

日米の追加金融緩和観測

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、米連邦準備 制度理事会(FRB)当局者が景気支援のために長期国債の購入を再 開する場合、新たな戦術を検討している、と伝えた。FRBは2009 年のように期限を設定して大規模な国債購入を発表するのではなく、 景気回復によって調整できるように、より変更可能でより小規模なプ ログラムを検討しているという。

一方、28日付の日経新聞朝刊は、日本銀行が10月4、5日の次 回金融政策決定会合で追加的な金融緩和策を協議すると報じた。期間 3-6カ月の資金をさらに潤沢に供給することを軸に検討に入ったと している。円高進行に加え、エコカー減税終了など政策の後押しがな くなることで景気下支えを狙うという。

みずほコーポ銀の加藤氏は「米国の再金融緩和に対して日本がど れほどの金融緩和で臨めるのかというところなのだろうが、基本的に は地合いがドル安なので、ドル・円に関してもそれほどドルが買われ るという地合いにはなかなかならない」と解説。一方で、「前回の介入 のおかげで85円台で待っていた輸出企業のドル売り注文はある程度 付いたということもあり、慌ててドルを売る必要もない」と指摘して いる。