日本株は反落、配当落ちの医薬品や金融下げる-売買は低調

東京株式相場は反落。根強い欧州 債務問題の行方や企業短期経済観測調査(短観)の内容を見極めたい として買いが手控えられる中、武田薬品工業をはじめ医薬品や情報・ 通信株などの配当権利落ち銘柄が下げた。その他金融や証券など金融 株も安い。

日経平均株価の終値は前日比107円38銭(1.1%)安の9495円 76銭、TOPIXは6.65ポイント(0.8%)安の842.65。日経平均は 心理的な節目の9500円を2営業日ぶりに終値で下回った。東証1部売 買代金は今月9日以来、約3週間ぶりの1兆円割れ。

ちばぎんアセットマネジメントの桶矢正嗣運用部長は、「短観や為 替など見極め要因が多い上、配当権利取りの買いが一服したことで売 買注文が細っている。配当落ちを吸収するだけの市場エネルギーに乏 しい」と話していた。

9月末の決算期末があさってに接近し、決算対策を終えた機関投 資家や証券会社の自己売買部門が動きづらいとあって、全般模様眺め ムードが強かった。買い注文の乏しさを裏付けたのが先物の動き。取 引開始時の日経平均先物12月限の売買は1600枚強にとどまり、きの うの4割減。このため、午後2時すぎに出た大口注文も吸収しきれず、 買い物が少ない中で指数の下げ幅は大きくなった。

欧州問題の不透明感

買い手控えの一因は、欧州債務問題に対する不透明感だ。米銀M &Tバンクは、スペイン最大の銀行であるサンタンデール銀行の米国 部門であるソブリン・バンクとの合併交渉を放棄した可能性がある、 と米紙ウォールストリート・ジャーナルが報道。きのうの欧州債市場 では、アイルランド10年債の同年限のドイツ国債に対する上乗せ利回 りは過去最大となったほか、ポルトガル国債のスプレッドも拡大した。

27日の米国株市場では、S&P500種の金融株指数が前営業日比

1.2%安と主要10指数で値下がりが最大だった。大和投資信託の長野 吉納シニアストラテジストによると「欧州の債務問題はマーケットで 周知されて落ち着いていたが、何かが明確に改善しているわけではな い。折に触れて、懸念が高まる可能性はある」という。

海外の流れを受けた東京市場でも、三井住友フィナンシャルグル ープ、野村ホールディングスなど銀行、証券株の一角が安く、午後は その他金融株の下げも拡大。会社更生法の適用を28日に申請する武富 士が、値幅制限いっぱいのストップ安で一部配分。法的整理に伴う金 融市場や消費者金融市場への影響が不透明な点も心理的重しだった。

医薬品や通信、電気・ガスが下落率上位

また、東証1部の業種別下落率上位には医薬品や情報・通信、電 気・ガスなどが入り、終日弱い動きを見せた。きょうは、3月決算企 業の9月末配当権利落ち日に当たる。SMBCフレンド証券によると、 配当権利落ちによる影響分は日経平均採用銘柄ベースで63円程度。明 和証券の矢野正義シニア・マーケットアナリストは、「配当の権利を取 った後に売る投資家もあり、配当権利落ち以上に安くなった銘柄が出 ている」と話していた。

東証1部売買高は概算で13億6764万株、売買代金は同9909億円。 値上がり銘柄は504、値下がりは987。

個別の材料銘柄では、設備投資の低調や円高の影響などから2010 年11月期の利益予想を減額修正したアルテックが急落。4-9月利益 を大幅増額したが、11年3月期予想を据え置いた大東建託は大幅安と なった。記録製品事業の構造改革実施により、4-9月連結決算で特 別損失を計上する太陽誘電、日経平均への新規採用による需要期待が 一巡した日本電気硝子も安い。

半面、建機向け油圧機器の主導で11年3月期の連結純利益は過去 最高を更新しそう、と独立系株式調査会社TIWが株価判断を引き上 げたKYBは急伸。立花証券が「強いアウトパフォーム」とした松田 産業は大幅高、中間配当を行っていないことなどでの株価急落は買い 好機、とシティグループ証券が指摘したみずほフィナンシャルグルー プは4日ぶりに反発した。

新興3市場は高安まちまち

国内新興3市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前日 比0.1%高の48.18と続落し、大証ヘラクレス指数は0.3%安の562.17 と5日続落。東証マザーズ指数は1.2%高の367.32と4日ぶり反発。

新規顧客企業との取引拡大が当初想定より遅れているとし、11年 2月期利益予想を減額したトライステージが急落。業況悪化のらでぃ っしゅぼーや前日に続き下げた。売買代金上位ではイーター電機、キ ャンバス、セラーテムテクノロジーが安い。

半面、フュートレックとの資本・業務提携を好感したアクロディ アが大幅高。「ワンピース」関連のキャラクター商品の好調で11年3 月期利益予想を引き上げた東映アニメーションは続伸した。売買代金 上位ではアズジェント、サイバーエージェント、アイフリークが高い。

--取材協力:池田亜希子 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

参考画面: 記事についての記者への問い合わせ先: 東京 長谷川敏郎 Toshiro Hasegawa +81-3-3201-8361 thasegawa6@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net 香港 Darren Boey +852-2977-6646 dboey@bloomberg.net