中国は近隣諸国との緊密な関係損なう恐れ-尖閣問題などの強硬姿勢で

中国は近隣諸国との緊密な関係を 構築し、それらの国々を米国の影響下から引き離すために続けてきた これまでの努力を無にしつつあるようだ。日本や東南アジアとの領土 紛争において自国の主張を貫き通そうとしているからだ。

日本当局は、沖縄県・尖閣諸島沖での海上保安庁巡視船と中国漁 船の接触事件に関連し、中国漁船の船長を17日間にわたって拘束。日 中関係はこの5年で最悪の状態となった。中国は、北朝鮮の抑止を狙 った米国と韓国の軍事演習に反対姿勢を示し、領海問題に関する地域 の仲介努力をはねつけた。

シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院の黄靖客 員教授は、「中国は感じの良い国とのイメージを地域に確立しようとし てきたが、現時点ですべては台無しとなっている可能性がある」と指 摘。「真の問題は、中国政府がそれを気に掛けているかどうかだ」と述 べた。

同志社大学の村田晃嗣教授は、日本の国内政治が不安定で日米関 係が揺れ動いていることから、中国は日本を試していると指摘。中国 との対立は、日本人に対米関係の重要性を思い起こす機会を与えたと の見方を示した。

中国は米韓演習に反対しており、人民解放軍の羅援少将は8月、 中国政府の保有する米国債8467億ドル(約71兆3000億円)を使って 報復措置を取る可能性を示唆した。中国は米国債最大の保有国。

12年控えた強硬姿勢

船長拘束に対して、日本の青年団の上海訪問を延期したり、北京 の日本大使館前での抗議行動を許したり、さらに日本の駐中国大使を 少なくとも6回呼び出すといった中国の一連の反応について、黄靖客 員教授は、胡錦濤国家主席と温家宝首相が共産党の要職から退く予定 の2012年を前にした権力闘争の中で、中国が領土問題で強硬姿勢を示 す必要性があることを反映しているとの見方を示した。

テンプル大学現代アジア研究所のディレクター、ロバート・デュ ジャリック氏は、「こうした措置は中国を傷つける。小規模な途上国の 対応そのもののように見える」と評している。