「PIIGS予備軍」にベルギーが浮上-政治空白で資金調達コスト拡

【記者:Paul Dobson and Lukanyo Mnyanda】

9月27日(ブルームバーグ):ベルギー国債のドイツ国債に対する 上乗せ利回り(プレミアム)が、ギリシャやアイルランドを含むユー ロ圏諸国の中で最も速いペースで拡大している。ベルギーは公的債務 残高の国内総生産(GDP)比率が97%とユーロ圏で3番目に高いに もかかわらず、政治空白で債務削減に向けた取り組みが遅々として進 んでいない。

ベルギーでは9月3日、社会党のディルポ党首が主導する政権協 議が決裂。ベルギー10年国債のプレミアムはその時点で64ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)だったが、その後41%拡大し、90 bpに達した。アイルランド国債のプレミアムもこの間413bpに拡 大したが、そのペースは21%とベルギーほど急激ではない。

ギリシャ発の債務危機を受けて、欧州連合(EU)は財政が脆弱 (ぜいじゃく)なユーロ圏諸国救済のため、7500億ユーロ (約85兆 円)規模の包括的金融支援策を策定。そうした状況の下で、ベルギー の政治空白が同国の信用力に対する投資家の信認を損なっている。

ベルギーは27日、最大25億ユーロの国債発行(2016~41年償還) を予定する。資金調達コストの上昇ペースが、高債務国グループ「P IIGS」を構成するギリシャ、アイルランド、スペイン、ポルトガ ル、イタリアをいずれも上回る中で、ベルギー国債に対する投資家の 需要が約1カ月ぶりに試されることになる。

グラスゴーのイグニス・アセット・マネジメントで約1100億ドル 相当の管理・運用に携わるファンドマネジャー、スチュアート・トム ソン氏は「ベルギーは債務水準ゆえにいわば準周辺国となっている。 緊縮財政策を通じて財政赤字を削減できる状況には現時点ではない」 と話す。

EU統計によれば、ベルギーの公的債務残高の対GDP比率は 97%と、イタリアの116%とギリシャの115%に次いで高く、ポルトガ ル(77%)とアイルランド(64%)、スペイン(53%)を上回る水準に ある。