ドル・円は84円前半、ドル安の流れも介入警戒が下支え-ユーロ高一服

東京外国為替市場ではドル・円相 場が1ドル=84円台前半で小幅な値動きとなった。先週からのドル安 の流れを引き継ぎながらも、日本の当局による円売り介入への警戒感 がドルを下支える構図が続いた。

ドル・円相場は84円18銭を日中安値にわずか31銭の値動き。日 本企業の中間期末にあたる9月末を前に、国内輸出企業のドル売り・ 円買い需要が意識された一方、市場では決算対策として政府・日銀が 少なくとも期末まで円高の進行を食い止めるとの思惑が出ていた。

UBS銀行東京支店外国為替部の北條雄一ディレクターは、全体 的な流れはドル安で、21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降 の米国の金利低下が効いていると指摘。ただ、ドル・円相場について は「円高に突っ込むところがあれば、再び介入が入る可能性がある」 とし、目先も引き続き上下ともに動きづらい展開が続くとの見方を示 した。

一方、ユーロ・円相場は8月上旬以来のユーロ高水準となる1ユ ーロ=113円台後半で始まった後、徐々にユーロがじり安となり、午 後には113円30銭まで値を切り下げた。

期末要因と介入警戒

先週は米連邦準備制度理事会(FRB)が21日のFOMC声明で 「追加金融緩和の用意がある」と表明したことを受け、米2年債利回 りが過去最低水準を付けるなど米金利が低下。外国為替市場ではドル 安の流れが強まり、ドルは対円でも政府・日銀が約6年半ぶりに円売 り・ドル買い介入を実施した15日以来の安値水準となる84円台前半 まで値を切り下げた。

こうした流れを引き継ぎ、週明けの東京市場でもドルは対円で上 値の重い展開が続いたが、介入警戒感がくすぶるなか、積極的にドル を売り込む動きも見られず。クレディ・アグリコル銀行外国為替部デ ィレクターの斎藤裕司氏は「期末に向けて、当局は85円を最終的なタ ーゲットにしたいのではないかという思惑が市場にはある」と指摘し、 「月末最終週ということもあり、今週は引き続き当局の動きが気にな る」と話していた。

また、三菱UFJ信託銀行資金為替部の井上英明統括マネージャ ーは、先週からのドル安の流れを引き継ぎながらも、期末に向けた売 買も出てくるため、「売り買い交錯となる結果、あまり方向感は出ない のではないか」と予想。目先は期末に絡んだ実需の動向と政府の介入 姿勢をにらみながらの展開になるとの見方を示した。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタ イル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)では、9月21日時点の ドル・円先物取引の非商業部門の円の買い越し幅が2万3100枚と前週 から半減し、6月以来の最小となった。政府・日銀が円売り介入を実 施したことで、円の買い持ち高の縮小が進んだ。

一方、財務省が27日発表した8月の貿易統計速報(通関ベース) によると、8月の日本の輸出額は前年同月比で9カ月連続増加。ただ、 伸び率(前年同月比15.8%増)は6カ月続けて縮小し、輸入(同17.9% 増)を下回ったため、貿易黒字額は同37.5%減の1032億円と15カ月 ぶりのマイナスとなった。

ユーロ相場

米国の金利低下に加えて、投資家のリスク許容度の改善もドル安 の背景にある。相対的にリスクの高い欧州通貨や資源国通貨が買われ やすくなるためだ。

前週末の米国株の大幅反発に続き、27日の東京株式相場は4日ぶ りに反発。米耐久財受注統計を受けて景気に対する不安が後退したほ か、日本政府が景気対策として検討している今年度補正予算案の規模 が約4兆6000億円に上る見込みであることを政府関係者が明らかに したことも相場を下支えした。

ドル安の流れのなか、ユーロ・ドル相場は約5カ月ぶりのユーロ 高・ドル安水準で推移。ただ、朝方に1.3495ドルと前週末に付けた4 月20日以来のユーロ高値に並んだ後はユーロが伸び悩み、一時は1.34 ドル台半ばまで値を切り下げる場面も見られた。

クレディ・アグリコル銀の斎藤氏は「ドル売りの反対サイドでユ ーロは上昇したが、それにしても買われ過ぎのような気がする」と指 摘。実際、アイルランドの銀行問題など「状況は何も変わっていない」 とした上で、「1.3500ドルのところにはオプション絡みの防戦売りが いかにもありそうだし、四半期末でユーロ売りのレパトリエーション (自国への資金回帰)も出ている可能性がある」と話していた。

アイルランド政府は、昨年国有化したアングロ・アイリッシュ銀 行の最終的な救済費用の見積もりを今週公表する予定。関係者2人が 公式発表を前に匿名で語ったところでは、アングロ・アイリッシュは 最大70億ユーロの追加資本を必要とする可能性がある。