日銀短観:大企業・製造業DIは6期連続の改善へ、先行きは悪化予想

日本銀行の企業短期経済観測調査 (短観、9月調査)は、企業収益が改善していることを受けて、幅広 く景況感の改善が続く見込みだ。先行きについては、米国経済をめぐ る不透明感が強いことや、為替円高の影響もあり、慎重な見通しが示 されるとみられている。

日銀は9月29日、1万社以上の企業を対象とした四半期に1度の 短観を発表する。ブルームバーグが調査機関19社を対象にまとめた予 想調査では、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答え た割合を引いた業況判断指数(DI)は、大企業・製造業がプラス7 と前回調査から6ポイント改善、大企業・非製造業はマイナス2と3 ポイント改善が見込まれている。いずれも6期連続の改善となる。

先行きについては、大企業・製造業がプラス3、大企業・非製造 業がマイナス4と悪化に転じると予想されている。日銀の宮尾龍蔵審 議委員は22日、徳島市で講演し、米国経済について「やや長期の低成 長に陥るリスクが高まっている」と指摘。円高についても「企業収益 やマインド面に与える影響が小さくない」と述べた。

モルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤健裕チーフエコノミス トは「大企業・製造業の業況判断DIは6四半期連続で改善するだろ う。もっとも、円高、アジア向け輸出の鈍化、国内における政策需要 はく落の見通しを受け、改善ペースは顕著に鈍化の見通しだ」と指摘。 先行き判断については現状判断から悪化すると予想する。先行き判断 が悪化すれば、リーマン・ショック後の08年12月調査以来となる。

強まる日銀の追加緩和観測

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「今回の 焦点は言うまでもなく、円高の影響だ。大企業・製造業の業況判断D Iや設備投資計画が腰折れするようだと、日銀による早期の追加緩和 が濃厚になる」と指摘する。政府・日銀は15日、円が一時1ドル=82 円88銭と15年ぶりの高値を付けたことを受けて、大規模な円売り介 入を実施。24日の東京市場では84円台後半で取引された。

佐藤氏は「先行き下振れリスクが顕在化する可能性が高まってい ることを受け、日銀は10月28日公表の経済・物価情勢の展望(展望 リポート)で経済見通しを下方修正するともに、早ければ同時に追加 緩和に踏み切るだろう」と予想している。

--取材協力Minh Bui Theresa Barraclough Editor: Hitoshi Ozawa,Norihiko Kosaka

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