9月24日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為市場:ドル下落、経済統計でリスク資産需要

ニューヨーク外国為替市場ではドルが週間ベースで主要通貨のす べてに対して下落。米国の製造業耐久財受注額(輸送機器除く)が拡 大し、ドイツの企業景況感指数も改善したことから高利回り資産への 需要が高まった。

ユーロは対ドルで4月以来の高値をつけ、対円でも8月以来の高 値に上昇した。景気回復の鈍化はエコノミスト予想ほど深刻ではない との見方が背景だ。スイス・フランは対ドルで最高値に上昇。オース トラリア・ドルは米ドルに対して2008年7月以来の水準に上げた。

BNYメロンの為替グループのマネジングディレクター、サマル ジット・シャンカー氏は、「リスク回避の最悪期は過ぎた。ドルが劣 勢に立たされている」と述べ、「ドルが全体的に弱く、円も介入懸念 で上値が抑えられていることから、ユーロは安全弁としての恩恵を受 けている」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時16分現在、ドルは対ユーロで

1.3%下げて1ユーロ=1.3492ドル。前日は1.3314ドルだった。 ユーロは対ドルで4月20日以来の高値となった。円は対ユーロで

1.2%安の1ユーロ=113円72銭(前日112円35銭)。円は対 ドルで1ドル=84円29銭。東京時間には85円40銭まで売られ ていた。

米資本財受注と独景況感

米商務省の発表によると変動の大きい輸送用機器を除く製造業耐 久財受注額は8月に前月比で2%増加した。市場予想は1%増だった。

ドイツのIfo経済研究所がまとめた9月の独Ifo企業景況感 指数は106.8と、前月の106.7から上昇し、07年6月以来の高 水準を記録。ブルームバーグがまとめたエコノミスト36人の予想中 央値では、106.4への低下が見込まれていた。この指標に反応し、 ユーロが買いを集めた。

ソシエテ・ジェネラルの法人為替営業ディレクター、カール・フ ォチェスキ氏は、「Ifoの景況感指数と米国の資本財受注の統計が やや良好な内容だったので、リスク志向が若干、市場に戻った」と述 べた。

スイス・フランはこの日、対ドルで最大0.7%上昇して1ドル =97.86サンチーム。1971年のデータ集計開始以来の最高値に並 んだ。ユーロは対フランで1.3%上昇して1フラン=1.3289ユー ロ。

円は対ドルで一時1.1%下落。9月15日の日本の為替介入以 来、日中ベースとしては最大の値下がりだった。投資家の為替再介入 観測が背景だった。その後円は下げを埋めた。日本政府高官は為替の 介入についてコメントを避けた。

人民元

この日の人民元はここ1週間で初めてドルに対して下落。1ドル =6.69元。人民元は6月に中国政府がペッグ制を終了して以来、対 ドルで約2%上昇した。

米下院歳入委員会は24日、中国に人民元のさらなる上昇を促す ことを目的とした対中制裁法案を可決した。

◎米国株市場:大幅反発、耐久財統計やナイキ決算を好感

米株式相場は大幅反発。S&P500種株価指数は4カ月ぶりの 高値に上昇した。米耐久財受注統計で設備投資の先行指標となる航空 機を除く非国防資本財受注が増加したことや、ナイキの決算が市場予 想を上回ったことを手掛かりに回復腰折れ懸念が緩和、買いが優勢に なった。

アルコアとキャタピラーがそれぞれ素材株と資本財株指数の上昇 をけん引。統計では変動の大きい輸送用機器を除く耐久財受注額がエ コノミスト予想の2倍の伸びとなった。中国での販売急増が明らかに なったナイキも高い。ヒューレット・パッカード(HP)も値上がり。 同社が示す2011年の業績予見通しは市場予想を上回る見込みだと アナリストが指摘した。

S&P500種株価指数は前日比2.1%高の1148.67。終値ベ ースでは5月13日以来の高値となり、週間では4月以来最長の連続 高となった。このままいけば9月としては1939年以来最大の上昇 となる見通し。ダウ工業株30種平均は197.84ドル(1.9%)上 昇の10860.26ドル。

ベル・エア・インベストメント・アドバイザーズ(ロサンゼルス、 運用資産50億ドル)のトッド・モルガン会長は、「米経済はゆっく り、ゆっくりと改善するだろう」と話す。「株式は最も割安な金融資 産となっている。巨額の手持ち資金を持て余した投資家は再び市場に 参入してくる」と述べた。

9月の上昇

S&P500種は9月に入って9.5%上昇。大手テクノロジー企 業による自社株買いや配当、買収の発表が相次いだことが好感された。 S&P500種は4月に付けた年初来高値からは5.6%下落。高水準 で推移する米失業率や多額の債務を抱える欧州各国の歳出削減を要因 に、世界の景気回復が足踏みするとの懸念が背景にある。

通常取引前に米商務省から8月の耐久財受注が発表されると、米 株価指数先物は上げ幅を拡大した。航空機を除く非国防資本財受注額 が前月比4.1%増加と、前月の5.3%減少からプラスに転換したこ とから、企業設備投資の鈍化は一部のエコノミスト予想ほど深刻では ないとの見方が広がった。変動の大きい輸送用機器を除く受注は前月 比2%増加した。市場予想は1%増だった。

キャタピラーは4.6%高と、ダウ30種平均の値上がり率トッ プ。同銘柄を含むS&P500種の資本財株指数は2.8%高と、業種 別10指数の上昇率トップとなった。アルコアは3.9%高。同銘柄 を含む素材株指数は2.4%値上がりした。

米新築住宅販売が発表された後もS&P500種は堅調に推移し た。米商務省が発表した8月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、 年率換算)は前月比変わらずの28万8000戸だった。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は29万5000 戸だった。

「強気になる理由」

GMGディフェンシブ・ベータ・ファンドの共同運用責任者で、 ゲーリー・ゴールドバーグ・ファイナンシャル・サービシズの社長を 務めるオリバー・パーシュ氏は、「8月は極端に変動が激しかったが、 今では悪いニュースが出ても売りを浴びるのではなく、良いニュース で大きく上昇する状況へと変わった」と指摘。「これが守りのスタン スを維持するよりも強気になるもう1つの理由だ」と述べた。

S&P500種は今年さらに6.6%上昇し、10年間は年間リタ ーンが約8%に達すると、米資産運用会社ブラックロックのロバー ト・ドール副会長が24日指摘した。リセッション(景気後退)への 逆戻り懸念に根拠がないことが判明するためとしている。

ナイキは2.5%高の79.57ドルと、1980年の株式公開以来の 高値。

HPは2.1%高。バークレイズによると、同社が28日のアナ リスト会議で示す2011年の業績見通しは、予想平均である1株当 たり4.99ドルを上回る見込み。

◎米国債市場:下落、耐久財受注受け-株上昇も材料

米国債相場は下落。10年債利回りは6営業日ぶりに上昇した。 8月の米耐久財受注統計で、変動の大きい輸送用機器を除く受注が市 場予想を上回ったことが材料視された。

景気の回復が示唆されたことで、米連邦準備制度理事会(FRB) が国債購入を増やすとの観測が後退。これにより10年債は値下がり し、週間ベースでの上げを縮めた。株式・原油相場の上昇も比較的安 全な国債への需要低下につながった。

グッゲンハイム・パートナーズの米金利トレーディング責任者、 トーマス・ディガロマ氏は「耐久財受注の数字は全般的な市場の予想 よりも若干良かった」と指摘。「債券相場はこの2週間かなり上昇し ていた。予想より良かった耐久財受注の数字と株式相場の値上がりも 合わさり、国債はこれまでの上げの一部を失った」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時21分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇し2.61%。同年債(表面利率

2.625%、2020年8月償還)価格は15/32下げて100 5/32。 10年債利回りは週間では13bp低下と、8月13日終了週以降で 最大の下げとなった。

2年債利回りはこの日、2bp上昇し0.44%。週間では2bp の低下となった。

株や商品は上昇

米株式相場は4日ぶりに反発。S&P500種株価指数は2.1% 上昇した。金先物相場は一時1オンス=1300ドルを超え、過去最高 値を更新した。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物 11月限は1.74%高の1バレル=76.49ドル。

米商務省が24日発表した8月の米耐久財受注統計では、変動の 大きい輸送用機器を除く8月の受注は前月比2%増加した。市場予想 は1%増だった。

同じく商務省が発表した8月の新築一戸建て住宅販売(季節調整 済み、年率換算)は前月比変わらずの28万8000戸だった。これ は5月の28万2000戸に次いで、1963年の調査開始以降2番目に 低い水準。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の 中央値は29万5000戸だった。これに反応し、米国債は一時下げ を縮める場面があった。

追加緩和の見通し

米連邦公開市場委員会(FOMC)は、21日の声明で「委員会 は今後も経済見通しと金融の動向を見守り、景気回復を支援し時間を かけてインフレを責務と一致する水準に戻すため、必要に応じて緩和 措置を追加する用意がある」と記した。

モーガン・キーガンの債券資本市場部門プレジデント、ケビン・ ギディス氏は顧客向けリポートで、「声明は景気刺激への取り組みの 一環として長期金利を押し下げたいというFRBの願望を示唆する新 たな証しだ」と指摘した。

シティグループは、FRBによる追加の資産購入の規模について、 2009年を上回る可能性があると指摘する。

ストラテジストのブレット・ローズ氏は今週、電子メールで発表 したリポートで、「量的緩和が必要になった場合、その規模は米国債 の購入だけで1カ月当たりおよそ1000億ドルとなり、まず2-3 四半期実施すると予想している」と記した。

◎金先物市場:最高値更新、一時1300ドル突破-銀30年ぶり高値

ニューヨーク金先物相場は続伸。一時は1オンス=1300ドルを 上抜き、過去最高値を更新した。ドル安で代替資産としての貴金属に 買いが入り、銀も上昇。1980年以来の高値を付けた。

金は年初来で18%高、銀は同27%の値上がり。世界の株式や 米国債、大半の工業用金属より高いパフォーマンスとなっている。こ の日のドルは主要6通貨のバスケットに対して昨年2月以来の水準に 下げた。

マッコーリー・グループのヘッジファンド営業担当ディレクター、 マイケル・グイド氏(ニューヨーク在勤)は、「金にはまだまだ上昇 余地がある」と語る。「金利上昇を心配する必要はない。ドルは再び 守りに回っている。銀は特に記録を更新していないので、今後は価格 の上昇加速が見込まれる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は前日比1.80ドル(0.1%)高の1オンス=

1298.10ドルで終了した。一時は1301.60ドルまで上昇し、過 去最高値を付けた。

銀先物12月限は前日比18.6セント(0.9%)高の1オンス=

21.399ドル。一時は1980年10月以来の高値となる同21.48 ドルまで買い進まれた。

◎原油先物市場:続伸、ドルの対ユーロ下落で-終値76.49ドル

ニューヨーク原油先物相場は続伸。2週間ぶりの高値をつけた。 ドルが対ユーロで下げたため、代替投資として商品全体の魅力が高ま った。

原油は一時2%上げた。ドイツのIfo経済研究所がまとめた9 月の独企業景況感指数は予想に反して上昇し、3年ぶりの高水準とな った。8月の米耐久財受注統計で航空機を除く非国防資本財受注の増 加が明らかになると、原油は上げ幅を拡大した。

コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントルイ ス)のチーフ市場ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は、「ドル 安ですべての商品相場が押し上げられている。商品には最終消費のた めではなく、価値保存の手段としての買いが入っている」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前 日比1.31ドル(1.74%)高の1バレル=76.49ドルで終了した。 週間では2%高。

◎欧州株式市場:上昇、独企業景況感と米資本財受注で-ARM高い

欧州株式相場は上昇。ドイツの企業景況感が予想に反して上昇し たほか、米資本財受注が増加に転じたため、景気減速懸念が和らぎ、 上げに転じた。

半導体設計の英ARMホールディングスが高い。米ソフトウエア メーカーのオラクルがARM買収に関心があるとの観測がきっかけ。 独スポーツ用品メーカー、独アディダスも上げた。同業の米ナイキが 中国での売り上げの大幅増加を明らかにしたことが買い材料。独自動 車部品メーカー、コンチネンタルはドイツ銀行による株価目標引き上 げを好感して買われた。

ストックス欧州600指数は前日比1.1%高の263.97。週間ベ ースでは0.4%上げた。アイルランド国債の保証コストが過去最高 となったことで一部の欧州諸国が債務返済で困難に陥るとの懸念から、 同指数は前日まで3日続落していた。

ライファイゼン・キャピタル・マネジメントの世界株式担当責任 者、ヘルベルト・ペルス氏は米耐久財受注統計発表前のインタビュー で、「当社は株式相場が現時点ではかなり割安だと判断し、引き続き 株式をかなりのオーバーウエート(基準以上)にしている」と指摘。 「米国の景気が二番底に陥るとの懸念があるが、当社はそうなるとは みていない」と続けた。

ドイツのIfo経済研究所が24日発表した9月の独Ifo企業 景況感指数は106.8に上昇し、2007年6月以来の高水準を記録し た。8月の米耐久財受注統計では、設備投資の先行指標となる航空機 を除く非国防資本財受注が増加したものの、全体の製造業耐久財受注 額は前月比で1.3%減少した。

ARMは6.1%上昇。オラクルのラリー・エリソン最高経営責 任者(CEO)は23日、半導体メーカーや特定業界を対象とするソ フト制作会社の買収を検討していることを明らかにした。

アディダスは5.4%上昇。コンチネンタルは6%上げた。ドイ ツ銀は同銘柄の株価目標を63ユーロから68ユーロに引き上げた。 これは前日終値を28%上回る水準。

◎欧州債券市場:ドイツ債が下落-ポルトガルとアイルランド債反発

欧州債市場ではドイツ国債相場が4日ぶりに下落した。ユーロ圏 周縁国の国債に対する投資意欲が戻ったことを背景に、ポルトガルと アイルランドの両国債のドイツ国債に対するプレミアム(上乗せ金利) は過去最大から縮小した。

ドイツ国債は週間ベースでは上昇。政治的な反対と景気回復の減 速で、重債務国の赤字削減に向けた取り組みに影響が及ぶとの懸念が 高まった。

この日はスペイン国債とドイツ国債のスプレッド(利回り格差) も縮小した。スペイン政府が高額所得者への増税や歳出削減を盛り込 んだ予算案を発表したことがきっかけ。

ドイツ銀行(ロンドン)の債券ストラテジスト、モヒト・クマー ル氏は、「周縁国の国債にとって買い材料が幾つか見られる」と述べ、 アイルランド国債について「ファンダメンタルズの観点からすると、 スプレッドは極めて魅力的だ」と続けた。

ロンドン時間午後4時現在、独10年債利回りは前日比5ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.33%。前週末比で は9bp低下した。同国債(表面利率2.25%、2020年9月償還) 価格は0.39ポイント下げ99.28。

ポルトガル10年債と同年限のドイツ国債のスプレッドは402 bpで、前日からほぼ変わらず。一時は420bpまで拡大した。ア イルランドと独10年債のスプレッドは430bpまで広げた後、前 日比ほぼ変わらずの417bpとなった。

◎英国債市場:10年債、4日ぶり下落-バーカー氏発言に反応

英国債市場では10年債相場が4日ぶりに下落した。イングラン ド銀行(英中央銀行)の金融政策委員会(MPC)の元委員、ケイ ト・バーカー氏が資産購入を通じた一段の景気刺激策の可能性は「確 実性が低下した」との見方を示したことに反応した。

バーカー氏は23日の米経済専門局CNBCとのインタビュー で、「依然としてインフレの高止まりへの懸念の方が強い」と指摘し、 量的緩和を拡大する可能性については「答えが見えない」と語った。

10年債利回りは週間ベースでは約1カ月ぶりの大幅低下。22 日には1年余りで最大の下げを記録した。米連邦準備制度理事会(F RB)が国債購入を拡大する可能性を示唆したほか、前回の英金融政 策委員会(MPC)の議事録で、一部のMPCメンバーが景気刺激策 の拡大の可能性が高まったとの見方を示したことがきっかけ。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの債券ストラテ ジスト、ジョン・レース氏(ロンドン在勤)は、「MPCメンバー間 の意見を分けているインフレをめぐる問題があるのに加え、4-6月 (第2四半期)の堅調な成長は、量的緩和が間近に迫っていないこと を意味する」と述べ、「ただ、議事録を受け、量的緩和の可能性は1 週間ほど前に比べると高まったようだ」と続けた。

ロンドン時間午後4時24分現在、10年債利回りは前日比9ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.04%。同国債 (表面利率4.75%、2020年3月償還)価格は0.775ポイント下 げ113.91。前週末比では9bp低下し、下げ幅は8月20日終了 週以降で最大となった。

2年債利回りは前日比5bp上昇の0.69%。週間ベースでは1 bp下げた。

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