長期金利1.3%まで上振れも、補正予算の拡大必至-みずほ証の上野氏

みずほ証券の上野泰也チーフマー ケットエコノミストは、民主党の菅直人政権は、参議院で野党が多数 派を占める「ねじれ国会」のため、野党の要求を受け入れる格好で、 2010年度の補正予算規模が膨らみやすいと警戒感を示した上で、長期 金利が年度内に1.3%まで上振れする可能性があると述べた。

上野氏は24日までのインタビューで、「野党5党が連名で補正予 算の早期編成を申し入れたが、ねじれ国会で野党からの要求を丸のみ して、補正の規模が膨らむことは必至。国債増発が多少あると警戒し た方が良い」と説明。その上で、長期金利が1.3%程度まで上昇して もおかしくないとの見方を示した。1.3%台乗せとなれば5月18日以 来。この日の長期金利は1.01%で取引されている。

政府・与党は、臨時国会を10月1日に召集し、10年度補正予算 に関して野党との協議を急ぎ、早期成立を目指す方針。ただ、民主党 は7月の参院選で大敗して議席を大幅に減らしており、国民新党と与 党系無所属を合わせた与党勢力は110議席と参院(定数242)の過半 数に足りず、国会運営上は野党の協力が不可欠となっている。

経済対策として、自民党は約5兆円、公明党は約4兆円の補正予 算を今月初めに提言した。財源は10年度予算の経済危機対応・地域活 性化予備費の残額、09年度決算剰余金、建設国債などを挙げている。

上野氏は、「税収の上振れをどの程度見積もるかにもよるが、自公 側は1兆円台の建設国債の発行を求めており、国債増発が不可避な規 模を要求してくる」と見ており、「ねじれ国会で予算以外、法案が通ら ない状況。菅政権は、野党に協力してもらうしかない」と語った。

もっとも、金融機関は貸し出し減少や預金増加で余剰資金を抱え ており、「補正予算次第で長期金利が上限を試す局面では、銀行勢を中 心に買いが入り、金利は低下に向かうだろう。金利が上昇し続けるこ とはない」とも語り、当面は1.0-1.2%のレンジになるとみている。

中国は日本国債購入を継続か

また、上野氏は、中国漁船と海上保安庁の巡視船との衝突事件を めぐり、日中関係が悪化している中、中国は日本国債購入を継続する と予想。「日本製品の不買運動など通商問題や、中国からの団体旅行客 の自粛といった人的交流に悪影響が出ている」ものの、「政治の都合で 日本国債を大量に買ったり、買わなかったりすることは予想しにくい」 と述べた。

国際収支統計によると、中国の日本国債購入額は1-7月累計で 2兆3157億円の買い越し。過去最高額だった2005年通年の約9倍に 上り、大半は国庫短期証券(TDB)とみられている。

上野氏は、86年に会計検査院に入庁後、88年に富士銀行(現みず ほ銀行)に入行、為替や債券セクションなどでマーケットエコノミス トを歴任後、2000年のみずほ証券設立に伴い現職。東洋経済統計月報 のエコノミスト予測的中度で総合第1位。

--取材協力:菅野顕一郎 Editor:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ 東京 池田祐美 Yumi Ikeda +81-3-3201-2490 yikeda4@bloomberg.net 近藤雅岐 Masaki Kondo in Tokyo at +81-3-3201-8868 or mkondo3@bloomberg.net; 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift +81-3-3201-2078 or rswift5@bloomberg.net