日本株3日続落、円高や業績懸念し輸出安い-介入思惑波乱

日本株相場は3日続落。米景気不 安を背景にしたドル安・円高懸念が拭えず、電機や化学、機械など輸 出関連株の一角が安い。上期の利益予想を減額修正した日本電気硝子 など、ガラス・土石製品株の下げも目立った。

午後に入ると、日本政府による為替介入観測が浮上。ドル・円相 場が急激に円安方向に振れたことを受け、主要株価指数も一時上昇転 換する場面もあったが、政府がコメントを控えたこともあり、再びマ イナスに沈んだ。日経平均株価の終値は前営業日比94円65銭(1%) 安の9471円67銭。TOPIXは同8.11ポイント(1%)安の838.41。 東証1部33業種は、その他製品や食料品などを除く29業種が安い。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長によれば、「円高 懸念が根強く、背景には米国の追加の金融緩和観測がある。米債券利 回りが低下しており、米経済指標の動向に注目が集まっている」とい う。午後の上昇転換については、「介入観測があり、一気に円安に振れ たことを受けた。しかし、介入だけで株式相場が反転することは難し く、時間稼ぎに過ぎない」と門司氏は話していた。

米連邦住宅金融局が22日に発表した7月の住宅価格指数は前月 比0.5%低下、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値の

0.2%低下より悪い数字で、マイナスは8カ月連続だった。米労働省が 23日に発表した18日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は前 週から1万2000件増え、46万5000件。ブルームバーグがまとめたエ コノミスト予想中央値の45万件を上回った。

住宅、雇用関連統計の低調を通じた米国景気の減速懸念から22、 23日の米国株は続落。株式から債券に投資資金が流れ、2年債利回り は22日の取引で一時0.4074%と過去最低を付けた。日米金利差の縮 小でドル・円相場は円高基調で推移し、東京時間24日早朝には一時1 ドル=84円34円まで円が買われた。日本政府による為替介入が行わ れた15日から前日までの平均値は85円29銭。

業績影響への懸念も徐々に

米国を中心にした世界的な景気減速の影響が警戒される中、投資 家の間で企業業績の下振れ懸念が広がる一因となったのが日本電気硝 子の動きだ。日電硝は22日、得意先による生産調整の影響を受け、4 -9月の連結純利益予想を420億円(従来予想は490億-530億円) に下方修正すると発表。株価は一時5.5%安と売られ、この影響もあ ったことから、ガラス・土石製品株指数は東証33業種の下落率2位。

中央証券株式部の大越秀行部長は日電硝の下方修正に触れながら、 「世界的な景気減速が日本企業の業績にどのように影響を与えている のか、決算を控えて意識し始めている」と言う。

介入観測で日経平均上昇場面

午後の取引前半に、日本株相場の動きを一変させたのが日本政府 による為替の介入観測だ。午前の日経平均は前営業日比119円安で終 わったが、午後は同35円高まで急反転する場面があった。共同通信が 24日午後、市場筋の話として伝えたところによると、同日の東京外国 為替市場で、政府が円を売ってドルを買う為替介入を実施したもよう。 一方、野田佳彦財務相は24日午後、一部記者団に対し、為替介入の有 無に関する質問に「ノーコメント」と語った。

午前のドル・円相場は1ドル=84円40-50銭台で推移していた が、午後1時15分すぎごろから急激に円安方向に振れ、一時同85円 40銭まで円が売られた。もっとも、その後の円安方向への勢いは鈍く、 同84円70-80銭付近まで円は買い戻された。大和住銀の門司氏は、 「介入だけで反転することは難しい。時間を稼いでいる間に米国景気 に対する悲観的な見方が後退すれば、円安に向かうだろう」と見る。

日オラクルが急落、新興3市場はまちまち

個別では、日米の税務当局間がロイヤルティー料率の変更で仮合 意した影響から、11年5月期の単独営業利益予想を414億円から380 億円に引き下げた日本オラクルが急落し、2月以来の安値を更新。ド イツ証券が投資判断を「ホールド」に引き下げたコニカミノルタホー ルディングスは続落。第2四半期末の配当を無配とする芝浦メカトロ ニクスも安い。

半面、中国政府が日本向けのレアアース(希土類)の輸出を全面 禁止した、との米ニューヨーク・タイムズ電子版の報道を受け、非鉄 金属商社のアルコニックスのほか、松田産業やアサヒホールディング スなど貴金属リサイクル関連銘柄が買われた。硬化症薬「ジレニア」 が米食品医薬品局(FDA)の承認を受けた田辺三菱製薬、関連で三 井製糖も高い。

国内新興3市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前営 業日比0.2%高の48.28、東証マザーズ指数は同1.1%安の368.92、大 証ヘラクレス指数は同0.4%安の568.12。個別では、月内にも日本未 進出の海外ブランド商品の輸入販売を支援するサービスを始める、と 24日付の日本経済新聞朝刊に報じられたラクーンが大幅高。キャンバ ス、アズジェントも急伸し、包括信用購入あっせん部門の好調で、上 期利益予想を上方修正したUCSが午後急騰。円高の影響を受けにく い楽天などネット関連の一角も高い。

一方、有価証券届出書の虚偽記載に伴い、25日付で上場廃止とな るシニアコミュニケーションは続落。ダイヤモンドダイニング、ジパ ング・ホールディングスなどが下げた。