米企業年金:積み立て不足は99年以来の大きさ、利益圧迫-クレディS

米国の企業年金の積み立て不足が 少なくとも1999年以来の規模に膨らんでいると、クレディ・スイス・ グループが指摘した。企業はこのため、利益や手元現金を投資でなく 退職者への支払いに充てることを余儀なくされているという。

同社アナリストのデービッド・ザイオン氏とアミット・バーシュ ニー氏の試算によれば、S&P500種株価指数を構成する企業の確定 給付型年金の積み立ては必要額の75%で、前回落ち込みが目立った 2008年当時の78%を下回っている。21日付のリポートで示したもの で、 全体では4020億ドル(約34兆円)の不足という。両氏はまた、 企業の年金負担は来年も増え、265社の利益にマイナスの影響を及ぼ し続ける可能性があるとの見方を示した。

両氏はリポートで、「利益見通しを下方修正せざるを得ない公算が ある」と指摘。「10-12月(第4四半期)に高格付け債の利回り急騰 や株価の大幅上昇がなければ、大半の年金の財政は年内に一段と悪化 しそうだ」と予想し、「年金負担により現金流出が一段と増える恐れが あり、これは市場に織り込まれていないかもしれない」と述べた。

リポートによれば、S&P500種構成企業の年金の積み立て額の 水準は今年に入って1340億ドル減少した可能性がある。金利上昇予想 が外れたことや、株式相場が軟調に推移しているためだ。

ザイオン氏らはまた、S&P500種構成企業の年金負担額が今年 400億ドル、来年は530億ドルになると予想。その結果、税率35%を 前提とすると、来年の1株当たり利益が5セント以上減少する企業は 95社に上る公算があると指摘した。特に、商用機メーカー世界2位の ボーイングは、アナリスト予想平均を57セント(12%)下回る可能性 があるという。

このほか、年金負担のために11年の利益が市場予想を10%余り 下回る可能性がある企業として、建築資材のバルカン・マテリアルズ や新聞発行のニューヨーク・タイムズ、複合企業のハネウェル・イン ターナショナル、農業機械のディーアなどを挙げている。