国内市況:株は続落・債券続伸、円高・ドル安-米金融緩和観測強まる

東京株式相場は小幅続落。米国の 追加金融緩和観測を背景にした円高・ドル安再燃への懸念が根強く、輸 送用機器や電機、機械、ゴム製品など輸出関連株が売られた。あすの休 日を控え、積極的にポジションを取る市場参加者も少なく、商いは閑散 だった。

日経平均株価の終値は前日比35円79銭(0.4%)安の9566円 32銭。TOPIXは同3.42ポイント(0.4%)安の846.52。東証1 部33業種は20業種が下落、13業種が上げた。東証1部売買代金は1 兆766億円と、前日の1兆1685億円から8%減った。東証1部の下落 銘柄数は886と、上昇の575を上回った。

円高懸念から朝方下げて始まった日経平均は、午前後半にはプラス に転じる場面も見られ、政府による再度の為替介入に対する警戒も一方 的な売りを抑えた。あすの祝日休日前で投資家は持ち高を一方向に傾け にくく、さらに中国漁船と海上保安庁巡視船との衝突事件を機にぎくし ゃくする日中関係など不透明要素も影響した。

投資家の間でドル安・円高懸念が再燃するきっかけとなったのは、 21日に開かれた米国の連邦公開市場委員会(FOMC)。連邦準備制 度理事会(FRB)は追加金融緩和の可能性を示唆、日米金利差の縮小 が意識された。22日には一時1ドル=84円台後半まで円高・ドル安が 進行。15日の為替介入以来の円高水準となった。

円高への懸念を映し、TOPIXの下落寄与度上位には電機、輸送 用機器、機械など輸出関連株が並んだ。市場では、円高の流れは変わら ず、株価を一段と押し上げる材料には欠けるとの見方が出ていた。ただ 、政府・日本銀行による再度の為替介入への警戒感が株式相場全体を下 支えしている面もある。

債券は続伸、10年債1%に

債券相場は続伸。長期金利は3週間ぶりに1%ちょうどまで低下す る場面があった。FOMCの声明は、追加金融緩和の用意があると言及 。これを受けた米国債相場上昇やドル安・円高が買い材料視された。

現物市場で新発10年物の310回債利回りは、前日比3.5ベーシ スポイント(bp)低い1.01%で開始。午前9時半前には1.00%ちょ うどを付け、新発10年債として1日以来の低水準に到達した。午後に 売りが膨らむと一時は1.03%まで低下幅を縮めた。その後は1.015% で取引された。

前日に続いて超長期ゾーンには買いが先行し、20年物の121回債 利回りが6.5bp低い1.725%、30年物の33回債は7bp低下の

1.85%を付ける場面があった。

米連邦準備制度理事会(FRB)が21日に開催したFOMCの声 明は「必要に応じて、追加金融緩和を実施する用意がある」との見解を 示した。政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は 「長期にわたり」ゼロから0.25%のレンジにとどめる方針をあらため て示した。

FOMCの結果公表後、米国債市場では買いが膨らみ、米2年債利 回りは過去最低を記録。米10年債利回りは前日比13bp低い2.57%付 近で引けた。為替市場ではドル安・円高に振れた。

ただ、国内市場では新発10年債の1%割れでの買いには慎重な雰 囲気も残った。10月7日の10年債入札まで流動性供給を除くと長期 ゾーンの入札が実施されないことから、月末・月初にかけて好需給が続 く見通しだが、最近の金利低下が速かったことへの警戒感が広がった。 実際、8月後半には0.895%まで低下した後、上昇に転じ、一時は

1.2%目前まで上振れる場面があった。

東京先物市場の中心限月の12月物は前日比31銭高の142円69 銭で開始。朝方の売り一巡後に買いが膨らむと142円77銭まで上昇し、 中心限月として3週間ぶり高値圏に到達した。午後には一時142円53 銭まで上げ幅を縮めたが、引けにかけて再び持ち直し、結局は27銭高 の142円65銭で終了した。

ドルほぼ全面安、84円台後半に

東京外国為替市場は、前日のFOMCを受け、ドルが主要通貨に対 してほぼ全面安となった。FRBが近く追加金融緩和に踏み切るとの見 方が強まり、対ユーロでは約6週間半ぶりの水準までドル安が進んだ。

ドルは対円でも1ドル=85円ちょうどを割り込み、一時84円74 銭まで下落。ただ、政府・日銀による円売り介入への警戒感もあり、そ の後はドルが下げ渋った。ドルは対ユーロで一時、1ユーロ=1.3331 ドルと8月6日以来の安値まで下落。オーストラリア・ドル に対して は2008年7月以来の安値を更新した。

ユーロ・ドル相場につられる形でユーロ・円相場は一時、1ユーロ =113円16銭までユーロ高・円安が進んだ。113円台は8月10日以 来。前日にスペインやアイルランドが実施した国債入札が順調で、欧州 債務懸念が和らいだことが引き続きユーロの支援材料となった。

菅直人首相は、先週の政府・日銀による為替介入は円相場の急激な 動きを抑えるために不可避だったと説明。日本には円安につながる経済 政策と金融政策が必要だとの考えを示した。英紙フィナンシャル・タイ ムズ(FT、オンライン版)がインタビューを基に報じた。

日本銀行の宮尾龍蔵審議委員は22日午後の記者会見で、金融政策 運営について「介入資金を含むさまざまな資金の流れも利用しながら、 金融市場に潤沢な資金供給を行っていく方針だ」と発言。景気・物価見 通しの下振れリスクを慎重に見極め「必要と判断される場合には適時適 切に政策対応をとっていかなければならない」との考えも示した。