伊ウニクレディトの欧州拡大戦略に暗雲-プロフーモCEO辞任で

イタリアのウニクレディトのアレ ッサンドロ・プロフーモ最高経営責任者(CEO)が辞任することが 決まった。総額650億ドル(約5兆5200億円)相当の買収を通じて、 ウニクレディトを国内最大の銀行に成長させたプロフーモ氏の辞任に よって、同行の国際事業拡大戦略が危機にさらされる恐れがある。

プロフーモ氏(53)は、リビアの株主の出資比率引き上げをめぐ って、国内の主要株主の一部との関係が悪化したことで辞任に追い込 まれた。同行の発表資料によると、ディーター・ランプル会長(63) が暫定CEOを務め、後任を探す。

イタリアの最も著名なバンカーの1人であるプロフーモ氏の失 脚は、同行の事業拡大戦略に端を発している。同行は過去10年で総額 650億ドルを投じ、伊カピタリアや独HVBグループなどを買収。 ポーランドとオーストリアでは銀行最大手を傘下に置き、22カ国で 事業展開している。

同行は買収を進めた結果、金融危機の際に資金不足に陥り、プロ フーモCEOは投資家に出資を求めざるを得ない状況に過去1年半で 2回陥っていた。リビアの投資家からのウニクレディトへの最近の出 資をめぐっては、同行株を11%強保有するイタリアの財団が影響力 の低下を理由に反発していた。

エボリューション・セキュリティーズ(ロンドン)のアナリス ト、ファブリツィオ・ベルナルディ氏は「不利な状況だ」と述べ、 「プロフーモ氏は大金融グループを構築し、オープンで透明性のある 企業にしたとして国際投資家から尊敬を勝ち得た。イタリアの財 団の影響力を抑えようとしたが、その戦略が裏目に出た」と分析し た。

イタリアの金融財団は政府が銀行の民営化に着手した20年前に 設立された非営利団体で、貯蓄銀行の慈善事業を金融機関から分離 する目的で設立された。財団はウニクレディトやインテサ・サンパ オロなどイタリアの大手行の株式を保持している。