リーマン・ブラザーズのロゴが流す涙-落書き芸術家、ウォール街描く

「リーマン・ブラザーズ・ホール ディングス」のロゴが点線状になって滴り落ちている。まるで溶け出 しているか、涙を流しているかのように-。

この絵画は、米国史上最大の企業破たんであり世界金融危機の前兆 となった投資銀行リーマンの2年前の破たんを象徴している。

マンハッタンのチェルシー地区にあるギャラリー「デ・バック」に 飾られているこの縦32インチ(約81.3センチ)、横52インチの作 品のほかにも制作が予定されている。他のキャンバスには「ゴールドマ ン・サックス・グループ」や「ベアー・スターンズ」、「メリルリン チ」、「バンク・オブ・アメリカ」のロゴが無傷の状態で描かれてい る。

作者はフランス人アーティストのアギール・シュワルツ氏(32)。 それぞれのロゴに滴り落ちているような点線を書き加えていく計画だ。 シュワルツ氏はこのプロセスを「溶解(liquidating)」と呼ぶ。

シュワルツ氏はギャラリーでアクセントのある英語で語り始めた。 「わたしの作品はリーマン・ブラザーズがそれほど堅固ではなかったこ とを示している。そして、外見上最も堅固なものはいつか変化するとい うことを」。きしむようなイメージはグラフィティ(落書き)アーティ ストとしてのシュワルツ氏のルーツを反映している。

シュワルツ氏は何年間も企業ロゴを「溶解」している。最も有名な のは2009年、香港にあるアルマーニのブティックの外に文字が点線で 滴っているようなシャネルのロゴを描いた時だ。この時は逮捕され数日 間拘束された。金融機関のロゴを描いた作品は、11年初めに予定され ているニューヨークでは初となる同氏単独の展示会に出品される予定 だ。

シュワルツ氏はリーマンについて、「最初に興味を持ったのはこの ロゴの視覚的側面だ。キャンバスの上に描かれた線のリズムを楽しんで いる。それを見ていると、視覚的な振動が感じられる」と語る。

美術品ディーラーのデービッド・デ・バック氏はこの作品を1万 2000ドル(約102万円)で買い取りたいと申し出ている。デ・バック 氏は「彼はわれわれの物の見方を変えたいと考えている。いまだにリー マン・ブラザーズに投資しているのは、われわれだけかもしれないな」 と述べた。

より詳しい情報はシュワルツ氏のウェブサイトで。そこではグーグ ルのロゴが「溶解」している。

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