米国:排出権取引に代わる案で再挑戦-温暖化抑制で「今年最大の案件」

米政府は、温暖化ガス削減に関し て2度目の挑戦となる提案を計画している。排出権取引は産業ガスのハ イドロフルオロカーボン(HFC)23の削減方法として最適ではない との見方が背景にある。HFC23の温暖化効果は二酸化炭素(CO2) の約1万1700倍に上るとされている。

米海洋・環境・科学局のオゾン層保護担当責任者、ダン・ライフス ナイダー氏によると、科学者らが地球のオゾン層に穴が開いているのを 発見後、1987年に署名されたモントリオール議定書が、排出権取引に投 じられている数億ドルを節約する手段として利用できる可能性がある。 同氏はインタビューで、この議定書を利用する場合、コストは「数十億 ドルではなく数百万ドル」に抑えることが可能と指摘した。

ライフスナイダー氏の事務所から送付された電子メールの文書によ ると、米国の提案に従えば2050年までにCO2換算で880億トンを削 減できる可能性がある。これは、化石燃料の燃焼による現在の世界の年 間排出量の約3倍に相当する。米国のこの提案については、カナダやメ キシコ、ミクロネシア、フィリピンが支持している。

ワシントンを拠点とする環境ロビー団体、統治および持続可能な開 発研究所の代表、ダーウッド・ザエルケ氏は20日のインタビューで 「これは気候変動対策関連で今年最大の案件だ」と指摘した。

米国の計画では、1997年の京都議定書に基づいて創設された温暖 化ガス削減を目指す国連のクリーン開発メカニズム(CDM)ではな く、モントリオール議定書の多国間基金の資金を利用してHFC23の 削減を目指す。HFC23は冷却剤や空調装置を製造する際に副産物と して生成される。ライフスナイダー氏は、基金への支払いや必要額の 詳細については向こう数カ月間に協議されるとの見通しを示した。

中国やインドは抵抗

この提案は、昨年国連がエジプトで開いた会合で十分な支持を得ら れなかったが、今年11月8日からウガンダの首都カンパラで開かれる 会合で再び提案される予定。

ザエルケ氏によると、中国やインド、ブラジル、南アフリカ共和国 がこの計画に抵抗する姿勢を示しており、今年合意される可能性は低 い。中国はHFCの代替物を利用した場合のコストについて懸念を表明 しているという。

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