米保険会社、商業用不動産ローン拡大は危険招く恐れ-ジェンワース

生命保険や住宅ローン保険を手掛 けるジェンワース・ファイナンシャルのロナルド・ジョエルソン最高投 資責任者(CIO)は、商業用不動産ローン市場が回復する中でオフ ィスビルやショッピングモールなどに関連する融資を拡大すれば、保 険会社は自ら危険を招くことになる恐れがあると指摘した。

ジョエルソンCIOはニューヨーク市ブルックリンで21日開催 されたKPMGの会議で、保険会社の幹部は融資ポートフォリオのパ フォーマンスに満足するだろうと述べる一方、「それこそ各社が留意す べき危険だ」と語った。

米保険各社は、投資戦略の一環として不動産オーナーへの貸し出 しを実施している。業界最大手メットライフの商業用不動産ローンの 残高は344億ドル(約2兆9200億円)で、ポートフォリオ全体のほぼ 10%を占める。同社や業界2位のプルデンシャル・ファイナンシャル、 プリンシパル・ファイナンシャル・グループなどは今年、商業用不動 産に投資する機会があるとの見方を示している。

ジェンワースは投資ポートフォリオの損失の回復を図るため、J Pモルガン・チェース幹部だったジョエルソン氏を2008年に起用。ジ ェンワースの届け出資料によれば、同社の商業用不動産ローン残高は 6月末時点で72億ドルと、08年末時点の80億ドル超から縮小した。

バークレイズが算出する指数によれば、最高格付けを持つシニア 級の商業用不動産ローン担保証券(CMBS)の相対利回りは、経済 の安定化に伴い過去1年で1.77ポイント低下し、米国債に対する利回 りの上乗せ幅(スプレッド)は2.52ポイントに縮小した。

ジョエルソン氏は「雇用情勢はさえない」と述べた上で、「消費行 動に左右される一部の小売り不動産は厳しい状況に陥るだろう」と語 った。