下期の国内IPOは25社前後、ディフェンシブや電子部品か-野村証

2010年度下期(10月-11年3月) に日本の株式市場に新規株式公開(IPO)する企業数は、上期(4 -9月)の2倍以上に増え、年度ベースでは4年ぶりに増加に転じそ うだ。

野村証券の石井巨道公開引受部長が15日、ブルームバーグの取材 でこうした見通しを示した。石井氏は、下期のIPO社数見通しを「25 程度」とし、上期(4-9月)の9社や前下期の11社を大きく上回り、 底打ち感が出てくるとしている。

IPOの数は06年度の187社を直近のピークとし、その後減少。 09年度は19と、IPOが一時凍結された1992年度の37をも大きく 下回った。石井氏によると、IPOを目指す企業の数は減っているわ けではなく、景気停滞で業績が思わしくなかったり、資金調達額と上 場に伴うコストなどを対比した結果、公開を見送る企業があるようだ。

今年度上期のIPOでは、期初に第一生命保険という公募・売り 出し規模1兆円超の大型案件があったため、野村証券によると9社の 公開規模は合計1兆152億円と、昨年度1年間の10倍超に膨らんだ。 ただ、第一生命を除く8社の平均はわずか8億円にとどまった。下期 に関しては、「ある程度サイズがある企業がいくつか出てくるだろう」 と石井氏は話している。

ディフェンシブや電子部品関連が登場か

今後IPOが見込まれるのは、国内景気が悪化するなかで業績が 安定推移するディフェンシブセクターが08年度以降増えていること から、その傾向が続くだろうと石井氏。野村証によると、ディフェン シブセクターのうち医療品・ヘルスケアセクターは07年度に株式公開 規模ベースで全体の1.5%に過ぎなかったが、08年度は14.8%、09 年度は49.5%に高まった。

このほか、市況回復で好業績が期待される「電子部品関連も登場 しやすい」と石井氏は指摘する。また3、4年前から増えてきた経営 陣による企業買収(MBO)を実施して上場廃止した企業のなかで、 非上場の間に抜本的に会社を立て直して再上場する企業がことし、来 年から増えてくるかもしれないという。

最近の傾向として、上場する市場が東京証券取引所と大阪証券取 引所ジャスダックに集中していることが挙げられる。07年度までは名 証セントレックス、札証アンビシャス、福証Qボードといった地方の 新興市場に上場する銘柄も目に付いたが、08年度以降はゼロ。09年度 以降は東証とジャスダックのみとなっている。

主幹事の寡占化も特徴。野村証は今年度上期の9件中、7件の主 幹事を務め、残り2件を大和証券キャピタル・マーケッツとみずほ証 券が獲得した。ブルームバーグ・データによると、06年度には20を 超える証券会社が務めていた。

野村証を主幹事に選んだフーマイスターエレクトロニクスの武石 健次社長は、選定理由について「国内トップの野村証の審査は厳しく、 その審査を通ったことが取引先や投資家に安心感を与えられると考え た」と説明。FPGの久保出健二取締役は、野村証の「審査クリアに よる投資家の信頼度上昇と、セカンダリーマーケットに強いことが理 由」と話していた。

--取材協力:常冨浩太郎 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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