米国株(22日):下落、テクノロジー・金融の業績懸念で

米株式相場は下落。S&P500 種株価指数は2週間ぶりの大幅安となった。景気浮揚に向け米連邦準 備制度理事会(FRB)が措置を講じるとの観測が浮上した一方、テ クノロジー企業や金融機関の利益見通し悪化が嫌気され、売りが優勢 になった。

売上高見通しがアナリスト予想を下回ったアドビ・システムズは 19%の急落。半導体メーカーのPMCシエラも安い。同社は7-9 月(第3四半期)の売上高見通しを下方修正した。マイクロソフトは 増配を発表したものの、増加幅が一部の市場予想を下回ったことが嫌 気され下落。モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックス・グル ープはいずれも大きく値下がり。ドイツ銀行は両社の業績見通しを引 き下げた。

S&P500種株価指数は前日比0.5%安の1134.28と、7日以 来の大幅安となった。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は声 明で、必要に応じて追加金融緩和を実施する用意があると表明した。 ダウ工業株30種平均は21.72ドル(0.2%)下落の10739.31ド ル。

ハリス・プライベート・バンクのジャック・アブリン最高投資責 任者(CIO)は、「市場は落とし穴に落ちないよう注意しながら、 低成長経済のなかを歩んでいる」と指摘。「米連邦準備制度理事会 (FRB)は景気二番底の回避に向け可能な手段は何でも講じるだろ うが、永久に国債を購入し続けることはできない。これはドル安、商 品高、低金利という『リフレーション(通貨再膨張)』シナリオだ。 株式相場の大幅上昇が考えられるような環境ではない」と述べた。

S&P500種は7月2日に付けた年初来安値から11%戻してい る。高水準で推移する米失業率や多額の債務を抱える欧州各国の歳出 削減を要因とした、世界の景気回復行き詰まりの懸念が後退したこと が背景。同株価指数は今年に入って1.7%高と、年初来高値からは

6.8%下げている。

株式相場は朝方には上昇していたが、米住宅価格指数の統計が 発表されると下げに転じた。米連邦住宅金融局(FHFA)が発表し た7月の住宅価格指数(季節調整済み)は前年同月比3.3%低下し、 連続8カ月目のマイナスとなった。差し押さえ物件が市場にあふれて いることが背景にある。前月比では0.5%低下。ブルームバーグが まとめたエコノミスト予想の中央値は0.2%低下だった。

「一段と厳しい」

世界最大の債券ファンドを運用する米パシフィック・インベスト メント・マネジメント(PIMCO)のモハメド・エラリアン最高経 営責任者(CEO)はブルームバーグに対し電子メールで、「株式市 場はFRBの追加策実施への意欲と良い結果をもたらす能力の適切な 均衡点を探ろうとしている」と指摘。「FRBは一段と厳しい経済見 通しを認める一歩を踏みだしたが、全面的に認めて追加の政策措置を 講じるには至らなかった」と記述した。

アドビ・システムズは19%急落。同社は前日の引け後に決算を 発表。9-11月(第4四半期)の売上高は9億5000万-10億ドル (約810億-850億円)になるとの見通しを示した。ブルームバー グがまとめたアナリスト予想平均は10億3000万ドルだった。

PMCシエラは6%安。同社は7-9月(第3四半期)の売上高 見通しを引き下げ、最大1億6300万ドルになるとした。これはアナ リスト予想平均の1億7350万ドルを下回る。

マイクロソフトは2.2%安と、ダウ30種平均の構成銘柄で下落 率トップ。同社は四半期配当を23%引き上げて1株当たり16セン トとすると発表。最大4%の配当利回りを期待していたカウエンのア ナリスト、グレッグ・モスコビッツ氏は、16セントでは配当利回り

2.5%となり、「残念だ」と述べた。

金融株指数は1.6%安と、S&P500種の業種別10指数の値下 がり率トップとなった。

トレーディング収入の「不振」

ドイツ銀行は米モルガン・スタンレーとゴールドマンの第3四半 期(7-9月)の利益予想を下方修正した。トレーディング収入の不 振が理由だという。

マイケル・キャリアー氏率いるドイツ銀のアナリストらは21日 付の顧客向けリポートで、ゴールドマンの1株当たり利益予想を

1.95ドルと従来予想の3ドルから引き下げ、モルガンの利益予想に ついては15セントとこれまでの50セントから下方修正した。株式 投資判断はいずれも「買い」に指定されている。

モルガン・スタンレーは4.3%安、ゴールドマンは2.2%下落。