米国債:2年債利回り過去最低、FOMCが追加緩和の用意

米国債相場は上昇。2年債利回 りは過去最低に低下した。米連邦準備制度理事会(FRB)が21日 開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、景気押し上げや失業率 低下に向け追加金融緩和の用意があると表明したことが材料視された。

10年債利回りは、一時下げを縮める場面があった。FOMCで は、借り入れコストを低く維持するための米国債の購入拡大は見送ら れた。10年債と2年債の利回り格差は縮小し、約2週間で最小となっ た。米景気回復の失速懸念が反映された。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオ ン(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・ サリバン氏は、「景気が再び悪化するリスクは低下してはいるものの、 それが米国債への需要が続いている理由だ」と指摘。「直ちに量的緩 和を実施することはないが、それが、今後全般的な価格水準が落ち込 んだと判断した場合に行動を起こさないということにはならない」と 述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時16分現在、10年債利回りは前日比13ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の2.58%。同年債(表面利率

2.625%、2020年8月償還)価格は1 2/32上げて100 3/8。

2年債利回りは4bp下げて0.43%。一時0.4155%と、過去 最低を付けた。10年債と2年債の利回り格差は2.16ポイントに縮 小し、終値ベースでは8日以降で最小となった。30年債利回りは9b p低下の3.79%。

金先物が最高値

ニューヨーク金先物相場は過去最高値を更新。ニューヨーク商業 取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物相場12月限は1オン ス=1290.40ドルを付けた。株式市場ではS&P500種株価指数が

0.3%安。外国為替市場では、円がドルに対し、日本政府・日銀が為 替介入を実施した今月15日以来の高値に上昇した。

米2年債と日本の2年債の利回り格差は29bpに縮小し、米金融 当局が政策金利を実質ゼロに引き下げた2008年12月以来で最小と なった。

FOMCは声明で、「委員会は今後も経済見通しと金融の動向を 見守り、景気回復を支援し時間をかけてインフレを責務と一致する水 準に戻すため、必要に応じて緩和措置を追加する意向だ」と記した。

米労働省が発表した8月の米消費者物価指数は、食品とエネルギ ーを除いたコア指数が前年同月比では5カ月連続で0.9%上昇にとど まった。これは1966年以降で最も低い伸び。

ブレークイーブンレート

10年物の米国債とインフレ連動国債(TIPS)の利回り格差で あるブレークイーブンレートは1.82ポイント。過去5年間の平均は

2.11ポイント。ブレークイーブンレートは、トレーダーのインフレ 期待を示す。

サンアメリカ・アセット・マネジメントで20億ドル相当の資産 運用に携わるマイケル・チア氏は「FRBは、インフレが連邦準備法 で定められた物価安定の水準を下回っていることを率直に認めている。 これは明らかにデフレに対する懸念を示唆するものだ」と指摘。「最 初の引き締め措置の時期に関する市場の予想は、半年から1年、先延 ばしされる必要がある」と語った。

SEIインベストメンツで80億ドル相当の資産運用に携わるシ ョーン・シムコ氏は「景気見通しに大幅な変化が見られるまでは、米 国債は現在の水準付近で推移するだろう」と予想。「FOMCは追加 金融緩和の可能性を残し、市場に明確さを示した」と指摘した。