基準地価:下落率3年ぶり鈍化、住宅需要が回復-3大都市圏で鮮明に

国土交通省が21日発表した基準地 価(都道府県地価調査)によると、全国の全用途平均地価は値下がり率 が3年ぶりに鈍化した。下落はバブル崩壊後19年連続となったものの、 マンション需要の回復に伴い3大都市圏の特に住宅地で下落の鈍化傾 向が鮮明になった。

全国の全用途平均(2010年7月1日時点)の下落率は前年比3.7% と前年の4.4%から縮小した。なかでも東京区部・都心部の住宅地で下 落率は3.8%と前年の11.8%の3分の1程度まで急速に鈍化。3大都市 圏(東京・大阪・名古屋)の全用途平均は下落率が3.2%と前年の半分 程度にとどまった。

みずほ証券の石澤卓志チーフ不動産アナリストは、「住宅用地取得 や不動産取引の増加を背景に回復は予想より早まっている」とし、「来 年には上昇する地点も出てくるだろう」と見通した。国土交通省では、 都市圏での下落鈍化について、マンション購入意欲の高まりや不動産投 資の活発化などが背景にあるとの見方を示した。

日本版不動産投資信託(Jリート)調査会社のアイビー総研による と、Jリートの物件取得額は1-6月の上期は3720億円と前年同期比 で2.3倍となった。マンションの発売も好調で不動産経済研究所は10 年の首都圏の新築マンションの発売戸数は6年ぶりに増加に転じると 予想している。

銀座ではテナント「デフレ化」も

ただ、今回の基準地価では、景気低迷やデフレを背景に、3大都市 圏、地方圏で住宅地、商業地がいずれも値下がりした。全国の住宅地は

3.4%、同商業地は4.6%下落した。特に地方圏の商業地は4.8%下落と 顕著だった。基準地価は都道府県が毎年1回実施する調査に基づくもの で、公示地価と合わせ、一般の土地取引価格の指標となっている。

国内で最も基準地価が高かったのは、「東京都中央区銀座2丁目19 -1」の明治屋銀座ビルで5年連続。ただ、価格は1平方メートル当た り19%下落の2020万円。都心一等地の銀座でも、入居するテナントの 業種や業態の変化が地価に影響を及ぼしている。

国交省地価調査課の岩城豊課長は、「銀座ではブランド店の撤退に 比べ、ファーストフード店などの出店が著しく、銀座の売り上げ全体が 縮小している」と、テナントのデフレ化を指摘した。松屋銀座店では4 月、高級ブランド、グッチの撤退跡に、カジュアル衣料チェーンのフォ ーエバー21が出店した。

三菱地所の木村惠司社長は21日、基準地価の公表を受け、「都内の 好立地では土地仕入れの動きが過熱するなど底打ち感が出ている」など とする談話を発表。この中で、大都市の再生や住宅投資の活発化などを 掲げる政府の新成長戦略の早期実行に期待感を示した。

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