日本株は小反落、輸出一角安い-FOMC前で為替神経質

3連休明けの日本株相場は午後の 取引で下げに転じ、結局小幅に反落した。日本時間今夜の米連邦公開市 場委員会(FOMC)の開催を前に為替の円高警戒感が拭い切れず、上 値を買う動きは手控えられた。自動車や機械、精密機器など輸出関連株 の一角が下落。盛り上がりを欠く相場展開が続き、証券株は東証1部 33業種の下落率1位だった。

日経平均株価終値は、前週末比23円98銭(0.3%)安の9602円 11銭、TOPIXは2.15ポイント(0.3%)安の849.94。東証1部の 値上がり銘柄数は596、値下がり893。

ちばぎんアセットマネジメントの安藤富士男顧問は、「為替介入は 日本の単独だったため、円安への戻りも現在の水準くらいまでだろう。 円高に対する警戒感は拭えておらず、リスクを考えると、日本株は戻り を待った売りが出やすい」と指摘した。また需給面でも、「国内の機関 投資家は、決算を控え配当落ちまでは動けず、個人は高利回りの銘柄だ けを買っている」という。

連休中の米国株高を追い風に、この日の日本株相場は続伸して始ま った。日経平均は一時78円高の9704円と、8月3日以来の9700円台 を回復。しかし次第に上値が重くなり、午後はマイナス圏に沈んだ。米 金融政策を決定するFOMC後の為替動向を見極めようと、市場参加者 の間で徐々に様子見姿勢が強まった格好だ。東証1部の売買代金は1兆 1685億円と、前日までの過去1年間の平均1兆3436億円を13%ほど下 回った。

FOMCでは、米連邦準備制度理事会(FRB)が追加金融緩和の 姿勢を打ち出すかどうかが焦点。明和証券の矢野正義シニアマーケット アナリストは、追加の金融緩和策の決定はないと見ているが、「金融緩 和を示唆するような発言が出ると、円高に向かう可能性がある。日本の 当局による円売り・ドル買い介入以降、為替は落ち着いた動きとなって いただけに、様子見姿勢は強い」と話していた。

鉄鋼も軟調、米景気不安の後退は支え

15日の為替介入以降、ドル・円相場は1ドル=85円台と安定的に 推移しているが、追加の金融緩和観測が高まれば、日米金利差の縮小を 通じドル安・円高に向かう可能性がある。輸送用機器や機械、化学株な どは上昇して始まったものの、次第に伸び悩み、マイナス圏で終えた。 前週末に発表された8月の粗鋼生産量の伸び率が9カ月ぶりの低水準と なったことを受け、鉄鋼株の下げも目立った。

今後の投資家の気がかり要因になりそうなのが日中関係だ。尖閣諸 島付近で日本の巡視船と中国漁船が衝突した事件では、日本の海上保安 庁が中国漁船の船長を公務執行妨害の疑いで逮捕した。その後、中国側 は、日本との閣僚級の交流を停止、21日から訪中予定の「日本青年上 海万博訪問団」の受け入れを延期するなどの事態が起きた。大和証券キ ャピタル・マーケッツ金融証券研究所・投資戦略部の高橋和宏氏は、 「日中問題はセンチメントにネガティブな影響もたらした」という。

米景気不安は後退

もっとも、米景気不安の後退を受け日本株の下値は限定的だった。 前週末と週明けの米国では、企業の好決算発表が相次いだ。17日発表 のソフトウエア2位のオラクルの6-8月(第1四半期)決算は企業の IT投資回復が貢献、20日発表の住宅建設大手レナーの6-8月(第 3四半期)決算は差し押さえ投資物件部門の売り上げが伸び、いずれも 市場予想を上回った。

また、全米経済研究所(NBER)は20日、2007年12月に始ま った米景気後退は09年6月に終息したとの結論を発表。17、20日の米 株式相場は続伸し、S&P500種平均が20日に約4カ月ぶりの高値を 付けた。大和証券CMの高橋氏によると、「米国の投資家心理は改善傾 向にある。全般的にリスク警戒感が低下しており、景気に対する自信が 以前に比べて戻って来ている」という。

きょうの上昇業種を見ると、電気・ガス、医薬品、食料品などディ フェンシブ業種のほか、その他金融、保険など金融株の一部。相対的に 景気敏感業種からの資金シフトの様子が垣間見え、投資資金が日本株市 場にとどまっていたことをうかがわせた。

キョーリン急騰、ダイセキ環大幅安

個別では、後発医薬品大手の沢井製薬が、株式公開買い付け(TO B)による買収にも意欲を示している、と18日付の日本経済新聞朝刊 が報じたキョーリン製薬ホールディングスが急騰。ディー・エヌ・エー とパソコン向けゲームサイトの運営を始めることが明らかになったヤフ ーも高い。東証1部の値上がり率上位にはアコムやプロミス、武富士な どその他金融株が並んだ。

半面、環境分析案件の大幅な減少や競争激化による受注単価の下落 が響き、11年2月期の業績が従来の増益計画から一転、大幅減益に落 ち込む見通しのダイセキ環境ソリューションが大幅安。8月の月次売上 高が計画値を下回ったミスミグループ本社も売られた。既存店売上高が 期初計画を下回って推移していることを踏まえ、午後に11年3月期業 績予想を下方修正した王将フードサービスも安い。

新興3市場はまちまち

新興3市場はまちまち。ジャスダック指数は前週末比0.3%高の

48.40、東証マザーズ指数は同0.3%高の374.81、一方、大証ヘラクレ ス指数は同0.3%安の572.43。

個別では、企業再生支援機構に対し、宮津製作所との事業統合を核 とした事業再生計画に対する支援を申し込み、支援決定の通知を受けた と発表した富士テクニカがストップ高。年間配当予想を従来の1株当た り25円から30円に増額したティアが続伸。半面、主力プロジェクト、 虚血性疾患治療剤「HGF遺伝子治療薬(コラテジェン)」の日本での 重症虚血肢の適応取得に追加試験が必要となり、10年12月期の連結売 上高予想を下方修正したアンジェスMGが急反落。