天然ゴム:4年で最も深刻な不足に-ブリヂストンなど実需業者は悲鳴

売上高で世界最大のタイヤメーカ ー、ブリヂストンは欧州で今年2回目の製品値上げを実施し、米グッド イヤー・タイヤ・アンド・ラバーも値上げを予定している。タイヤの原 料である天然ゴムは2007年以降で最も深刻な不足に陥るとの見方が広 がっている。

世界最大のゴム供給国であるタイの生産・輸出最大手、ボン・バン ディットのマネジングディレクター、ポングサック・ケルドボングブン ディット氏は「今年の干ばつと豪雨の影響でアジア全域のゴム農園でラ テックスの採取が困難になっている」と指摘。「世界の生産は少なくと も今後2年間、急増する需要に追い付かないだろう」との見方を示す。

米ゴールドマン・サックス・グループによると、世界のゴム在庫回 転日数は11年に前年比12%減少し67日と、少なくとも11年ぶりの 低水準となる見込み。需要は供給を12万7000トン上回り、07年以降 で最も深刻な供給不足が予想されている。

ニューエッジ・ジャパン証券の商品デリバティブ営業本部の杉谷 誠・本部長は、シンガポールのゴム先物相場は来年3月までに20%上 昇する可能性があるとみている。14日時点のこの予想に基づけば、過 去最高値の1キログラム当たり約4.20ドルへの上昇を意味する。同氏 は1月時点で今年のゴム相場の上昇を的確に予測していた。

国際通貨基金(IMF)は世界の経済成長率が07年以来の高い伸 びを示すと予想。ゴムの販売量は過去6年で最大の増加を示している。 一方、主要生産国のタイやインドネシアのゴム農園が過剰な降雨に見舞 われラテックスの採取は抑制されている。世界2位のタイヤメーカー、 仏ミシュランは7月、原材料コストの上昇で通期利益が最大6億5000 万ユーロ(約730億円)落ち込む可能性があるとの見方を示した。

在庫の減少

ブルームバーグ・ニュースがブローカーやアナリスト9人を対象に 実施した調査の中央値によると、シンガポール商品取引所の天然ゴム先 物相場は来年3月までに最大14%上昇し1キロ当たり4ドルに達する と予想されている。相場は4月15日に過去最高値の4.11ドルに達し た。今月20日終値は3.50ドルと、年初来で22%上昇している。

諌山裕一郎氏らゴールドマン・サックス証券のアナリスト4人は2 日付のリポートで、ゴム在庫は約6%減少し来年には205万トンになる との見通しを示した。タイの気象当局は、異常気象を引き起こす恐れの あるラニーニャ現象が年末にかけて強まる可能性が高いとみている。こ のため、タイ南部では降雨量が平年を上回る可能性がある。南部には同 国の農園の68%が集中している。

国際ゴム研究会(IRSG)によると、世界のゴム消費は今年、04 年以降で最大の9.4%増加し1031万トンとなる見通し。

ニューエッジの杉谷氏は、低金利が続くなか、投資家が有利な運用 先を求めているためゴムは穀物やソフトコモディティーの上昇に連動す る可能性があるとの見方を示した。