【今週の債券】長期金利1.0%台中心で推移か、円売り介入効果見極め

今週の債券市場で長期金利は1.0% 台中心の推移が予想されている。政府・日銀が前週実施した為替介入 で急激な円高が修正されており、株式相場の堅調推移が続くと債券に は売り圧力が高まりそう。半面、需給の良さが金利上昇を抑制する見 通し。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、今週の長期 金利は1.0%台を中心にもみ合うと予想。「日本が介入によって円高を 阻止している間は株価も堅調に推移しやすく、債券を積極的に買えな い。ただ、日銀の次の一手が金融引き締めでなく緩和的な政策と見込 まれ、短中期ゾーンの買い需要は旺盛だろう」と説明した。

長期金利の指標とされる新発10年債利回りについて、ブルームバ ーグが17日に市場参加者4人から聞いた今週の予想レンジは全体で

1.02%から1.15%となった。前週末の終値は1.07%。

前週の長期金利は1.1%台半ばから1.0%台に水準を切り下げた。 14日の民主党代表選挙で菅直人首相が再選されたことを受け、財政規 律が維持されるとの見方から買い安心感が広がった。政府・日銀が15 日に円売り介入を実施して、円高が修正されて株価が上昇すると、債 券はいったん売られた。しかし、介入資金を放置するとの観測が強ま ると再び買われ、16日には2週間ぶり低水準の1.025%まで下げた。

今週は介入の効果の持続性を見極めることになりそう。前週の円 相場は15年ぶり高値の1ドル=82円台を付けていたのが、85円台後 半まで押し戻されるなど、介入に一定の効果が出ている。岡三アセッ トの山田氏は、「円売り介入が実施されて以降、円安・株高基調が続い ており、さすがに金利水準を下げての買いは入らなかった」と話して いた。

みずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエコノミ ストは「市場では一段の円安や株高に懐疑的な見方も多い」と述べ、 その上で「今週は営業日が少ないだけに投資家の買いが集中すれば 1%割れが視野に入る」との見方を示している。

現物債需給の改善が見込まれていることが相場の支えとなりそう。 今週は22日の流動性供給入札を除くと、利付国債の入札は実施されな い。長期ゾーンについては、10月7日の10年債入札まで3週間程度 間隔が空く。21日には利付国債の償還を迎えることもあり、需給がひ っ迫しやすくなる。みずほインベスターズ証の落合氏は、ここ数日は 需給のひっ迫に支えられる展開となり、「月末にかけても金利上昇余地 は小さそう」と話した。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は21日に米連邦公開市場 委員会(FOMC)を開く。市場では、最近の底堅い米経済統計を受 けて早期の追加緩和期待は後退しており、政策変更を予想する声は少 ない。損保ジャパン・アセットマネジメントの平松伸仁シニアインベ ストメントマネジャーは、今回のFOMCについて、「現時点では追加 緩和をしない可能性の方が高い」とみている。

市場参加者の予想レンジとコメント

17日に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は12月物、新発10年国債利回りは310回債。

◎日興コーディアル証券の野村真司チーフ債券ストラテジスト

先物12月物141円60銭-142円50銭

新発10年債利回り=1.025%-1.10%

「もみ合いか。菅首相が再選され、脱小沢一郎路線が継続し、為 替介入後も債券が上昇したため、下値不安は薄らいでいる。国債入札 もなく、需給が好転する中、ディーリング相場が復活してもおかしく ない。一方、介入効果で円高・株安傾向が止まったほか、欧米長期金 利も緩やかな上昇基調で上値を買い進む材料に乏しい」

◎トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジスト

先物12月物141円25銭-142円75銭

新発10年債利回り=1.02%-1.15%

「相場の方向感がつかみづらい中、今週は休日も多く、その時々 の思惑から一方向に振れやすくなる。為替介入や新内閣の景気対策、 日銀の追加緩和観測など、外部要因に相場が引っ張られそうだ。民主 党代表選前の相場急落で警戒感も残っている。現物債利回りが上昇し たところでは買いが入ってくるだろうが、来期に向けた取引が本格化 するのは来週だろう」

◎損保ジャパン・アセットマネジメントの平松伸仁シニアインベスト メントマネジャー 先物12月物141円40銭-142円70 銭

新発10年債利回り=1.05%-1.15%

「民主党代表選の結果や為替介入で進んだ利回り曲線のブルフラ ット(平たん)化の修正が続くだろう。長めのゾーンは多少上昇圧力 がかかる見通し。米FOMCは、現時点では追加緩和をしない可能性 の方が高いだろう。また、今週発表の米住宅着工件数などの経済指標 が予想以上に改善するとなれば、米追加緩和期待も後退するだろう」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物12月物141円50銭-142円50銭

新発10年債利回り=1.03%-1.13%

「長期金利は1.0%台を中心にもみ合う。日本が介入によって円 高を阻止している間は株価も堅調に推移しやすく、そうであれば債券 を積極的には買えない。ただ、日銀の次の一手が金融引き締めでなく 緩和的な政策だと見込まれており、短中期ゾーンの買い需要は旺盛だ ろう。米景気の不透明感もあって金利は上がりにくい環境だ」

--取材協力:池田祐美、船曳三郎、菅野顕一郎 Editors:Norihiko Kosaka, Masaru Aoki

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