米国債(20日):上昇、FOMC声明が緩和的との観測

米国債相場は上昇。21日に開 かれる連邦公開市場委員会(FOMC)の声明が、一段と緩和的な 内容になるとの観測が背景にある。

米連邦準備制度理事会(FRB)は、51億9000万ドル規模の 米国債買い切りオペを実施した。対象証券の償還期日は2016年9 月-19年8月。これを材料に長期債を中心に上昇した。一部のトレ ーダーは、FRBが量的緩和策の一環として、国債購入額の増額を発 表すると見込んでいる。

ミラー・タバクの主任経済ストラテジスト、ダン・グリーンハウ ス氏は「FOMCを控え、多少のポジション調整が見られる。一部の 投資家は、FOMCが予想よりも早く追加の量的緩和を示唆するかど うかに注目している」とした上で、「今回の会合は空騒ぎに終わる見 通しだ。FOMCは景気の先行きを静観するだろう」と語った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時現在、30年債利回りは前週末比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下し、3.88%。同年債(表面利率

3.875%、2040年8月償還)価格は1/2上げて、99 30/32。

2年債利回りは1%未満低下の0.46%。先週は10bp低下と、 5日間の下げとしては5月7日以来で最大となった。10年債利回り は4bp低下の2.71%。

10年債と2年債の利回り格差は2.24ポイントに縮小。米景気 回復の失速懸念が反映された。

FRBは公開市場操作用口座、システム・オープン・マーケッ ト・アカウント(SOMA)を約2兆ドルの水準に保つため、住宅ロ ーン担保証券(MBS)の償還金を利用して8月17日以降、281 億200万ドル相当の米国債を購入している。

FOMC見通し

9月16-17日にアナリスト64人を対象に実施した調査によれ ば、21日のFOMC会合で証券購入によるFRBのバランスシート 拡大決定が見送られるとの回答は60人となり、大勢を占めている。 エコノミスト63人を対象にした調査では、54人が高失業と低イン フレにより政策金利を「長期にわたり」、「異例の低水準」にとどめ るとの文言を維持すると見込んでいる。

シティグループは、21日の会合では新たな量的緩和策は発表され ないと予想しながらも、経済予測に変更が生じ、失業率の上昇や金融 環境の悪化が予想された場合、当局は追加の量的緩和に動くとみてい る。

シティの金利ストラテジスト責任者、アミタブ・アロラ氏は調査 リポートで、「FRBの量的緩和第2弾の選択肢はかなり限られてい る」と言及。「量的緩和策として可能性が高いのは、大規模な米国債 購入だ」と指摘した。

シティによれば、10年債利回りを現在の水準から50bp押し 下げるには、FRBは1年間で2兆ドル規模の国債を買い入れる必要 がある。

米商務省の8月27日の発表によれば、4-6月(第2四半期) の米実質国内総生産(GDP、年率)改定値は前期比1.6%増加と、 1-3月(第1四半期)の3.7%増から減速した。

追加緩和への準備

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のグローバル戦略アドバイザー、リチャード・クラリダ氏は、21日 のFOMCでは、将来の追加の債券購入に向けて投資家に準備を促す 内容になる可能性が高いと指摘する。

米コロンビア大学の経済学教授でもあるクラリダ氏は20日、ブ ルームバーグラジオとのインタビューで、「今回のFOMC声明の文 言は年内にバランスシート拡大の現実的な可能性があることを市場に 示唆し、準備を促すものになるだろう」と述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE