スティグリッツ氏:米国は追加刺激策実施に注力する必要

米コロンビア大学教授でノーベ ル経済学賞受賞者のジョゼフ・スティグリッツ氏は、米国は赤字削減 の代わりに、景気てこ入れに向けた追加刺激策の実施に注力する必要 があるとの見解を示した。

スティグリッツ氏は20日にチューリヒでのイベントで、米経済 には「追加刺激策が必要だ」と述べ、「投資やインフラに資金を投入 した場合、長期的な国家債務は実質的には低下するだろう。個人的見 解では赤字削減に注力することは極めて短絡的だ」と続けた。

さらに、金融政策はシステム上の危機を回避するには「効果的で ある」一方で、景気てこ入れに対しては「まったく効果がない」こと が明らかになっていると語った。同時に、欧州の緊縮策が「世界経済 を減速させる公算が極めて大きい」との見方も示した。

スティグリッツ氏は、バーゼル銀行監督委員会が設定した銀行に 対する資本規制に触れ、これによって新たな世界的な金融危機を回避す ることはできないと発言。スイスのテレビ局「SF1」とのインタビュ ーで、「正しい方向に進んでいるのは明らかだ」と述べた上で、「完全 実施された場合でも、次の危機を阻止できないだろう。資本は十分では ない」と語った。

バーゼル委は12日、世界の銀行に対する狭義の中核的自己資本 比率の最低基準を現行の2倍余りに引き上げるほか、新規制の完全順 守までの猶予期間を8年以内とすることで合意した。

大き過ぎてつぶせない銀行に措置

スティグリッツ氏は、「大き過ぎてつぶせない銀行に関する問題 で何らかの措置を講じる必要が本当にある」と指摘。「各国は一段の措 置を講じ、小規模な国はすべての市民が危険にさらされるリスクが極め て深刻であることを認識する必要がある」とし、巨大銀行のために「小 規模な国はほぼ壊滅的な状況となった」と続けた。