「風と共に去りぬ」メラニー役のハビランド94歳、フランスで輝く

映画史上最もその肩書にふさわし くないアクションヒロインが、パリの自宅の庭で磁器のカップにコー ヒーを注いでいる。スカーレット・オハラを守るため米ジョージア州 タラの屋敷で剣を手に階段を駆け降りるシーンを回想しながら-。

「憎らしい兵士がスカーレットに向かって来たの」。1939年公開 のハリウッド映画「風と共に去りぬ」でスカーレットの友人メラニー を演じたオリビア・デ・ハビランドはビビアン・リー演じるスカーレ ットとの有名な共演シーンを振り返った。

「勇敢で根性があり、威勢が良かった」。この映画の主な出演者た ちは皆鬼籍に入り、最後の1人となったハビランドは、銀色の編みか ごからバタークッキーを勧めてくれた。「どの出演作でも、わたしはあ まり活動的とは言えないアクションヒロインだった」。

1943年当時、米国に愛された女優はハリウッドに反旗を翻すこと を決心。待遇をめぐってワーナー・ブラザーズを提訴した。27歳だっ た。

94歳になる銀幕の伝説的人物が「風と共に去りぬ」出演で得た報 酬は2万5000ドル。39年の公開以降、この映画の世界興行収入は14 億5000万ドルに上る。「スタジオを運営する男性たちを相手に実際に 行動を起こしてしまったのは、わたしの役柄が受け身だったからだと 思う」と語る。

ハビランドは「わたしがしたことは男性たちにとってはショック だったみたい。ところでもう1つクッキーはいかが」とちゃめっ気の ある声がつぶやく。

フランスのファン

ハビランドはパリに長く在住している。9日にはエリゼ宮でサル コジ大統領から芸術文化に寄与したとしてシュバリエ章を授与された。 大統領は「フランス大統領のわたしの目の前に愛しのメラニーがいる。 フランス国民の誰もがこの場所に立ちたいと願っていることだろう」 と述べた。

そして、ハビランドが長年にわたってフランスに住んでいること に触れ、「これまで誰も彼女に勲章を授与しようとしなかったとは意外 だ。だが、フランスはあなたを愛していると確信している」と語った。 「あなたは傑出した女優だが反逆者でもある。米国の大手映画スタジ オに立ち向かった唯一の人物だ」と続けた。

ハビランドはフランス人ジャーナリストで週刊誌「パリ・マッチ」 編集者のピエール・ガランテ氏と結婚。現在はパリ16区にある高級マ ンションで一人暮らしをしている。女優として多くの賞を受賞したが、 自宅の壁には何も飾られておらず、彼女がかつてハリウッドで最も輝 いていたスターだったことを示す痕跡は何一つない。