インド:中銀のインフレ抑制、難題に直面-利上げ実施でも融資が急増

インド準備銀行(中央銀行)は今 年5回の利上げを実施したものの、銀行融資の急増を阻止できないで いる。これは同国経済が拡大するなか、スバラオ中銀総裁がインフレ 抑制で直面している難題を浮き彫りにするものだ。

エッサー・スチールやビデオコン・インダストリーズなど民間企 業向け融資は今年これまでに、前年同期比36%増の2兆1000億ルピ ー(約3兆9000億円)と、ブルームバーグがデータ集計を開始した 2002年以降で最大。2大銀行のインドステイト銀行とICICI銀 行は3月以降、貸出金利を50ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)引き上げたが、この幅は政策金利の上げ幅125bpの半分未 満にとどまっている。

インド中銀は16日の発表資料で、利上げにもかかわらず、イン フレ率は「今後数カ月間、高水準を維持する可能性がある」との見通 しを示した。同様のジレンマに直面する中国は、融資の伸びを鈍化さ せるため、利上げよりも銀行の自己資本規制強化に取り組んでいる。

クレディ・スイス・グループのエコノミスト、ロバート・プライ アーワンデスフォード氏(シンガポール在勤)は「本当に懸念される のは、銀行が政策金利引き上げの大部分を転嫁していないことで、こ れが資産価格の上昇を後押ししている」と指摘。「金利が引き続き緩い 場合、景気過熱の兆候が強まるリスクがある」と分析した。

インド中銀は16日、政策金利であるレポ金利を5.75%から6% に、リバースレポ金利を4.5%から5%にそれぞれ引き上げると発表 した。同国の国内総生産(GDP)は今年4-6月期に前年同期比

8.8%増と主要国経済では中国とブラジルに次ぐ高い伸びとなり、同 中銀はインフレ抑制を図り、今年アジアで最も積極的に利上げを推し 進めている。

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