債券反落、米債安や株高で先物1週間ぶり下落-長期金利一時1.075%

債券相場は反落。あすからの3連 休前に投資家が新規買いに慎重となる中、米国債相場の下落や株式相 場の堅調推移を受けて売りが優勢となった。長期金利は午後に一時

1.075%まで上昇したほか、先物相場は1週間ぶりに下げに転じた。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、円売り介入 以降の円安、株高基調が続いており、さすがに金利水準を下げての買 いは入らなかったと指摘。需給環境は引き続き良好とはいっても、3 連休前のタイミングでは持ち高調整売りが優勢だったとも言う。

現物市場で新発10年物の310回債利回りは前日比1.5ベーシスポ イント(bp)高い1.055%で始まり、いったんは1.07%まで上昇した。 しかし、その後に買いが優勢となると1.05%まで戻したが、午後に再 び売りが膨らむと3.5bp高の1.075%と2日ぶり高水準を付けた。午 後4時27分時点では3bp高い1.07%で取引されている。

16日の米国市場では株高、債券安の展開が続いたほか、為替は1 ドル=85円台後半で円安気味に推移した。トヨタアセットマネジメン トの浜崎優チーフストラテジストは、国内株相場が午後に一段と上昇 したこともあって債券には売り圧力が強まったと言う。

しかし、国債需給は月末までひっ迫するとの見方も多く、朝方の 売りが一巡するといったんはもみ合いとなった。RBS証券の徐端雪 債券ストラテジストは、9月の中間決算前に利益確定売りが出やすい とはいえ、一方で貸し出しが伸びない銀行勢中心に下期に向けた買い 需要は強いとも指摘。「当面は1.0-1.2%のレンジを形成しながら、 金利が上がりにくい状況が続きそう」と話した。

市場では、民主党代表選で財政規律維持に前向きな菅直人首相が 再選されたことで、投資家が買いに動き始めたとの声も多い。実際、 政府・日銀が円売り介入に踏み切った15日以降、為替は1ドル=82 円台後半から3円近く円安に振れたほか、日経平均株価は3%強の上 昇となったが、310回債利回りはおおむね1.05%付近で推移している。

みずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエコノミ ストは、円売り介入後も債券市場が冷静に対応していることについて、 「日銀が今後も緩和的な金融政策運営を維持する見通しであり、下期 も債券運用を収益源にしたい投資家が多いため」だと話した。

来週の10年債は1.0%台の推移か

市場関係者の間では、来週の10年債利回りは1.0%台での推移が 見込まれている。岡三アセットマネジメントの山田氏は、下期入り前 のタイミングでも短中期ゾーン中心に買い需要は強いとみるが、日本 が介入によって円高を阻止している間は株価も堅調に推移しやすく、 そうであれば債券を積極的には買えないと指摘。「来週の10年債は

1.03-1.13%程度のレンジではないか」と予想している。

こうした中、現物市場の好需給は金利の低位安定に寄与するとの 声も聞かれる。みずほインベスターズ証の落合氏は、市場では一段の 円安や株高に懐疑的な見方も多いとした上で、「営業日も少ないだけに 投資家の買いが集中すれば1%割れが視野に入る」と話す。

実際、投資家が下期を見据えて債券残高積み増しに動く一方、21 日には利付国債が償還を迎えるほか、10月7日の10年債入札まで流 動性供給を除くと長期ゾーンの入札が実施されないことから、来週以 降も需給ひっ迫が続くとの見方が有力となっている。

市場では、米国で21日に開催される連邦公開市場委員会(FOM C)のほか、住宅着工件数(21日)、中古住宅販売件数(23日)、新築 住宅販売件数(24日)など、米国の住宅関連の指標が注目されそう。

先物は1週間ぶり反落

東京先物市場の中心限月の12月物は前日比11銭安い142円15 銭で始まり、しばらくは142円20銭を中心にマイナス圏で推移した。 その後、午前10時前後に上昇に転じると一時は13銭高の142円39 銭まで上昇したが、午後2時過ぎ以降には再び下げに転じた。終値は 14銭安の142円12銭となり、1週間ぶりに反落して引けている。

この日も朝方には債券市場を取り巻く外部環境からは売り材料が 目立った。日興コーディアル証券の野村真司チーフ債券ストラテジス トは、円売り介入を受けて為替市場のドル安・円高に歯止めがかかり、 欧米では長期ゾーン主導で金利が上昇していることから、「きょうの国 内債相場はもみ合いからやや軟調な展開」を予想していた。

RBS証の徐氏も、米国の金利上昇や株高を受けて先物相場は下 げて始まったと指摘。ただ、月末にかけては利益確定売りより押し目 買いを考える投資家が多いことから需給は良いとも言い、「週末の取引 はやや方向感の定まらない展開だろう」ともみていた。

--取材協力:池田祐美、近藤雅岐 Editors:Hidenori Yamanaka,Saburo Funabiki

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