ヒンデンブルク凶兆が一巡、ドルと日本株上昇へ-パルナソス宮島氏

1937年に墜落炎上した大型飛行船 の名にちなんだチャートの暴落予兆システム「ヒンデンブルグ・オー メン」。8月半ば以降、条件が整ったと一部でけん伝され、為替市場を 中心にドル資産を手放すパニック売りが起きた。

パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズの宮島秀直チ ーフストラテジストは、こうしたヒンデンブルク・オーメンを材料に したドル売りも一巡したと判断、ドル相場が「大きくリバウンドする」 と予測している。

同氏は、8月末から9月初旬に海外機関投資家相次ぎ訪問。その 際、多くのファンドマネジャーが現在の世界の株式市場にかかわるキ ーワードとして「ヒンデンブルク・オーメン」を挙げたといい、この 凶兆を「ひとつのカタリスト(触媒)として、『株売り』『ドル売り・ 円買い』の口実に使う投資家が非常に多い」と感じたそうだ。

米国の大手ヘッジファンドやCTA(商品投資顧問)に対する調 査も行った宮島氏は、ヒンデンブルクとはやしてドルを売り込んだ投 資家の多くが、実際には数カ月後のリターン・リバーサルを想定して ドル買いのポジションをひそかに積み上げていると指摘。今後はドル 高・円安が進み、日本株も上昇すると読んでいる。

宮島氏は、海外機関投資家がドル建てではないエマージング債や ハイ・イールド債をオーバーウエートし、米国債を買わない方向性が 見えてきたことを捉え、投資家のリスク回避姿勢が少し和らいだと判 断。「為替にもよるが、日経平均株価は年末に9750円から1万円に戻 る可能性が高い」との見方を示した。

過去70年で平均27%下落

「ヒンデンブルク・オーメン」は、95年に米数学者が考案した相 場分析手法の1つで、37年5月に米ニュージャージーで起こったナチ スドイツ所有の大型飛行船「ヒンデンブルク」号の爆発事故こそが、 同年7月の米国株暴落(ダウ工業株30種平均が37%安)の予兆だっ たとする理論。宮島氏によれば、ニューヨーク株式相場でこの兆候が 出ると、「その後通常40日以内に株式市場で、約41%の確率でパニッ ク売りが発生、過去70年間平均で指数は27.4%下落」したという。

今回は、8月12日ごろから報道などを通じて兆候がすべて整うと の見方が市場に伝わり、特に米国投資家の間で話題となった。8月第 3週(16-20日)は米国株が軟化、第4週(23-27日)までにダウ平 均は最大3.6%、S&P500種株価指数は同3.7%下げ、凶兆到来の信 頼性を高める格好となった。

※ヒンデンブルク・オーメン:米数学者のジム・マイエッカ氏が考案 した相場分析手法。①ニューヨーク証券取引所(NYSE)で52週高 値更新銘柄数と安値更新銘柄数の双方がNYSE総取引銘柄数の

2.2%を超える、②高値更新と安値更新の2つの数字のうち小さい方が 75を超える、③NYSEの10週移動平均線が上昇している、④マク レラン・オシレータがマイナス、⑤52週高値更新銘柄数が52週安値 更新銘柄数の2倍を超えない――などが条件とされる。